温浴業界の将来予測
「望月さん、温浴業界はこれからどうなるんでしょうか?」
といった質問をいただくことがしばしばあります。
「高齢化社会や健康志向の高まりを考えれば、温浴はマクロに見て他の業界よりも追い風が吹いてますよね。でも競合が激しくなりますから、個別事業者は今よりもレベルアップしないと苦しくなりますよ。」
といった当たり障りのない答えをすることが多いのですが、ちょっとこの将来予測ということについて本音を書いてみたいと思います。
温浴業界の将来に影響を与えそうな要因を考えてみますと、
- 人口要因 …全体の増減はもちろん、年齢別や地域別の動向などの影響
- 交通要因 …郊外型健康ランドやスーパー銭湯が急激に発達した背景にはモータリゼーションがありました。今後も交通環境の変化があれば大きな影響を受ける
- 経済要因 …経済動向、それにともなう可処分所得や余暇時間の変化の影響
- エネルギー、環境問題 …原油価格の動向は無論のこと、節水や省エネ、環境技術の動向にも多大な影響を受ける
- 法改正 …近年も公衆浴場法や温泉法の改正がありましたが、関連法規が変わればその影響は多大
- 業者の動向 …設計や設備をはじめとして関連業者が提供する商品やサービス、技術の変化は温浴事業の内容を左右する
- 健康・医療に対する意識 …予防医学や健康管理に対する意識はもちろん、病気の治療法に至るまで、その動向に温浴という分野が絡む可能性は大きい
- 競合動向 …経営に最も直接的な影響を与える要因であり、この動向によって温浴事業者は経営方針の転換を強いられることも多い
- 成功事例 …顕著な成功事例が登場すれば、それに習う事例が増える
といった様々な要因が挙げられます。そして、これらの要因のうちひとつをとっても複雑な要因が絡みあって変化していくものであり、そう考えると、いくらもっともらしい理屈で将来予測をしてみても、その通りになるかどうかは全く分からないことだと思います。
左図は先日のAQUA&SPA 2007のセミナーで使用した、温浴業態の将来変化を説明したマトリックスです。これも真剣に考えて作ったものですが、この通りになるかどうかは誰にも分かりません。
温浴ビジネスを研究してきた立場の私が言うのもヘンかもしれませんが、一見論理的・科学的に見える将来予測も、実は占いと五十歩百歩…といっても過言ではないのかも知れません。
だからこそ、「業界はこれからどうなるんだろう?」と言いながらその動向に流されるのではなく、「自分が業界を変える!」というくらいのスタンスで生きたほうが面白いと思うのです。「温浴業界」と言うとマイナーで狭い世界のようですが、その先に広がっている壮大な世界を思うと、ものすごくワクワクしてきます。
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