向かい風と成長の限界
最近、全国的に既存温浴施設が集客に苦戦していることを実感させられます。
親しくお付き合いしている温浴事業経営者の方々からは、「かなりの経営努力をしているのに昨年と同水準を保つのが精一杯」というため息も聞こえてきます。
実力のある繁盛店でも苦戦ですから、そうでないところは昨対2割ダウンという例も珍しくありません。
開業して間もないところを除くと、全国的に昨年対比で業績を伸ばしている温浴施設はかなり少なくなっているのではないでしょうか。
風向きが変った原因はいくつも挙げられます。
- 競合施設が急増して過当競争になる地域が増えたこと。
- 豊富な利用体験によって、消費者の目が肥えたこと。
- 飲酒運転問題、岩盤浴の衛生問題、温泉爆発事故とマイナスの出来事が続き、余暇活動の選択肢の中で「温浴」の優先順位が下がっていること…。
どんな業態や商品でも、遅かれ早かれライフサイクルカーブは導入期から成長期、成熟期、衰退期へと移り変わります。
戦後日本の温浴業界は、銭湯からヘルスセンター、健康ランド、そしてスーパー銭湯と主役を交代しながら順調に市場規模を拡大してきましたが、これから先はどうなのでしょう。
今までいろいろな機会に「高齢化社会や健康志向の高まりという面で、これからもマクロには追い風が吹いています。」と言ってきましたが、風をとらえるための帆を張らなければ、追い風に乗ることはできません。
シルバービジネスにも健康産業にも、温浴業界以外のライバルがたくさんいます。スーパー銭湯に代わる牽引役が登場しない限り、これ以上の成長は望めないのかも知れません。
与党の大敗、株価の下落など、世の中の風向きも大きく変わりつつあるようです。過去の経験にこだわらず、ゼロから考えてみる。──その必要性を強く感じています。
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