すべり台の費用対効果?
もう何年も前のことですが、ある外資系投資ファンドが買収した大型ウォーターパークのリニューアルを検討する会議に出席する機会がありました。
そこでは新しいウォータースライダーの導入が議論されていました。
レジャープールなどにあるウォータースライダーは、人気アイテムのひとつですが、あまり量産されるようなものでもないため、実はその値段はかなり高価で、1メートルあたり軽く70万円以上の投資がかかるといわれております。
そのウォーターパークでは、年々減少する集客に歯止めをかけ、人気を復活させる方法を模索していたのですが、
「そのすべり台を導入すると、どれだけ集客が増えるんだ?」
会議に出席していた投資ファンド側のトップのその一言で、会議はそれ以上前に進むことができなくなりました。
最近、そのウォーターパークがついに閉鎖されることになったというニュースを耳にしました。
あの時、リニューアルに踏み切っていたら、今頃はどうなっていたのだろうか…と思うことがあります。
「メリットとデメリット」
「費用対効果」
「リスクとリターン」
こうした言葉は経営判断をするべき場面でよく使われる言葉ですが、経験上、これらの言葉に軸足を置いた議論がされていると、なかなか前向きな結論に至ることはできないようです。
リスクやデメリットを無視して猪突猛進すべし、と言いたいのではありません。
しかし、本当に重要な目標があってそれに向かわなければならない時、「どうしたら目標が達成できるか」に軸足が置かれていたら、「これをすることによって目標に過不足なく近づけるだろうか?」ということに議論の焦点が移ると思うのです。
実行なきもの成果なし。一見賢いように見えても、後ろ向きの判断からは何も生まれない、ということも忘れないようにしたいと思っています。
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