情報化社会とは監視社会、イジメ社会なのか?
平城遷都1300年祭マスコットキャラクターのデザインがいま賛否両論、話題沸騰しています。
デザインした籔内佐斗司さんのサイトには罵詈雑言の数々が寄せられているようですが、デザインコンペだったのですから、ご本人はどんなデザインをしようと自由なわけで、おかしな話です。
でもその批判に対する薮内氏の対応はすごく冷静で大人です。ケンカ腰の白帯空手を悠然とさばく黒帯の達人、といった感じがします。(もし私があんな批判にさらされたら、たぶん頭に血がのぼって火に油を注ぐか、逆に引きこもりになっていることでしょう。)
ひとつのデザインなのですから、人によって好き嫌いがあるのは当然のことで、自分の趣味でないならそこから遠ざかればいいだけの話だと思うのですが、ここぞとばかりに悪意に満ちた言葉で攻撃をする人たちがこんなにも多いのは悲しいことです。
前職時代の経験から学んだことがあります。
ある時私の尊敬するコンサルタントの講演があって、私はいつも通り聞き惚れていたのですが、たまたま講演後に受講者のアンケートの束を見る機会があったのです。
それを見ると、私が「素晴らしい!」と思っていた講演も、人によっては全く正反対の受け止め方をしていることが分り、いくつものネガティブメッセージに衝撃を受けました。
どうやら「モノの受け止め方は人それぞれで、すべての人を納得させるのは極めて難しい。」ということのようです。ましてや自分ごときが万人に認められようなんて考えても仕方ない…そう思ったのです。
万人ウケしようとすれば、賛否両論になりそうな話題は避け、失言を恐れ、無難な意見しか言えなくなります。それではお金を払って聞く価値のある講演はできなくなります。
ハッキリと意見を言えば、その講演内容が気に入らない人はもう二度と来てくれないかも知れません。批判や悪口を言われるかも知れません。それは怖いことです。でも、私の考え方に賛同して繰り返し参加してくれる人がいるのなら、その人達のためにできるだけ踏み込んだ話をしなければ、と思うようになったのです。
インターネットの世界では、このことをさらに強く感じさせられます。前職時代にはじめてホームページを作り、メルマガを発行したのが8年前。そして2年前からこのブログを書くようになりましたが、今まで批判やお叱りもいただき、ずいぶん考えさせられました。
先日、ある人気ブログを書いている方とお話ししていて、「情報化社会とは監視社会、イジメ社会なのか?」という会話になりました。
この10年間で急速にネット社会と呼ばれる新しいコミュニケーション方法が普及しましたが、個人や零細企業でも世界中に向けてスピーディに情報を発信できる反面、リスクも大きくなっています。
・ネット上に一度流した情報は永遠に消せない。
・情報がアッという間に広がる。
・不特定多数の批判にさらされる。
・匿名で攻撃する人がたくさんいる。
こういった側面を考えると、インターネット上に顔と実名をさらして意見を言うのは、講演で話すこと以上に怖いことかも知れません。
でも、匿名では無責任な発言としか思われませんし、怖がってばかりいたら何もできなくなります。講演と同じで、思いや信念があるなら、反対意見があることも覚悟して書くしかないと思うのです(といってもおそるおそる書いているのが実情ですが)。
今までインターネットに接してきて、自分なりに以下のような心がけが必要なのではないかと感じています(まだ全然できてませんが)。
・自分の発言、文章に責任を持つこと。
・ウソや憶測を広めないこと。
・失言や間違いは素直に認め、謝罪すること。
・常に礼をもってのぞみ、悪口や批判、誹謗中傷はしないこと。
・良いこと、正しいと思うことは信念を持って発信すること。
・負のエネルギー(怒り、悲しみ、憎悪…)をネットで増幅させないこと。
・受けとる情報の質を見極めること。
インターネットの普及によって、情報を発信する側も受けとる側も、そして双方向のやりとりも、お互いがもっと人間的に成長する必要に迫られている、そこに情報化社会の本質的な意味があるような気がしています。
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