唯一無二の存在に競合なし
長野県のある温浴施設で現在リニューアルを検討されていて、昨日は打ち合わせがてら周辺の有力温浴施設を視察してきました。
お風呂天国長野県(人口あたりの公衆浴場数がもっとも多い県)の中でも「有力」とされるだけあって、それぞれの施設が魅力的で個性がありました。
ある公共温泉は泉質が優れていました。鉄分、塩分、カルシウム、炭酸まで含有し、蒸発残留物は15000mg/L以上と、とんでもなく濃い泉質です。浴槽内には湯面で結晶化した膜がシャリシャリになって沈み、露天風呂の床は石灰華が固まって不思議な模様を描き出しています。マニアではないので、泉質のみで温浴施設の良し悪しを言う気はないのですが、ここまで泉質に有無を言わさぬ迫力があると、さすがに圧倒されます。
近くにあるもう一軒の温泉は丘の上にあり、露天風呂からの眺望が抜群でした。さらに韓国のプル釜を参考にしたと思われる男女共用の麦飯石低温サウナも面白いものでした。
そして県内随一といわれる大露天風呂のある温泉。燃料代はどうなっているのだろうかと心配になるくらいの大きな露天風呂があり、さらに館内ではパンを焼いたり蕎麦を打ったりといろいろな取り組みもあり、楽しませてくれます。
ごく近いエリアにいくつもの温浴施設がありますが、これらの施設は同じ業種ではあってもあまり競合しているとは思えません。それぞれが個性的な魅力を持ち、それを好んで支持する顧客によって支えられているという感じです。
同じ飲食店でも、イタリアンレストランと居酒屋と寿司屋がお互い競争を意識しないのと同じで、同質競争にさえ陥らなければ温浴施設の生きる道はいくつもありますし、それを理解して使い分けてくれるくらいまでマーケットは成熟してきているのです。
長野は桜もまだまだ見ごろで少々肌寒いくらいの気候でしたが、いずれの温浴施設も、平日にも関わらずたくさんのお客様でにぎわっていました。
日本で最も温浴施設数の多い長野県は、過当競争に悩む全国各地の温浴施設が進むべき近未来のモデルとして、さまざまな答えを示しているように思います。
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