転機の訪れ
その昔、渋谷のセンター街で「恋文食堂」という飲食店の開業をお手伝いしたことがあります。
ご存じのように渋谷という街は、十代の若者を中心に一日中たくさんの人であふれています。特にセンター街は若者をターゲットにしたファーストフード店が筍のように乱立していました。
このような立地条件でどのようなコンセプト・ターゲットにするべきか。周辺飲食店を食べ歩き、朝から晩まで行き交う人を眺め、さまざまな調査をしていると、
十代の若者たちは、家庭の味から遠ざかっているのではないか?
ひとりで食べる食事はわびしいのではないか?
いつもファーストフードばかりで食生活に不安を感じているのではないか?
ふとそんな感じがしたのです。
そして出した答えは、「懐かしさを感じさせる定食屋さん」でした。
忘れかけた昭和の家庭料理の懐かしさ、安心できる美味しさ、ひとりで入ってもホッとするひとときを提供しようと考えました。
基本コンセプトが決まったところで、さらに渋谷の歴史を調べていくと、戦後の道玄坂あたりで、元軍人が進駐軍の兵士と恋仲になった女性を相手に、恋文の代筆屋(英語に翻訳)をひらいていて、「恋文横丁」と呼ばれた頃があったそうです。
「恋文」という少々古い言葉には、どこか懐かしさや人恋しさを感じさせる響きがあって、基本コンセプトと重なる部分があります。
こうして「恋文食堂」という店が生まれたのです。
オープンすると、十代の若者だけでなく、懐かしさで訪れる年配のお客様や、勤め人の食事など幅広い客層に使われるようになり、恋文食堂はいつも行列ができ一日に客席が10回転する超繁盛店となりました。
その後残念ながら諸般の事情で閉店することとなり、今はもう店はないのですが、株式会社アクトパスの事務所には恋文食堂で使われた家具や食器が少し残っています。
この仕事の時に調査や開業準備で一緒に汗をかいてくれた、当時直属の部下だった竹内宏之くんは、今実家の峩々温泉に戻って支配人をしています。
恋文食堂の設計を担当したのはアクア・プランニングの中村さんで、この偶然の出会いから、その後さまざまな温浴施設の仕事を一緒にすることになります。
今考えると、恋文食堂は人生の転機となる仕事のひとつでした。当時はそんなことは思いもせず、ただひたすらに頑張っているだけだったのですが。
┘┘────────────────AQUTPAS Inc.
株式会社アクトパス 代表取締役 望月 義尚
〒104-0061東京都中央区銀座3-11-5 第2中山ビル7階
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公式サイト: http://www.aqutpas.com/
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コメント
素晴らしい、仲間と想い出なんですね。
家庭の味、良いですね。
特に、独身男性の独り暮しなんかには最高だと思います。
本当、見事な発想です。
投稿: 休息館 | 2008年8月 4日 (月) 16:23