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2009年7月の8件の記事

温浴施設にテレビを設置するべきかどうか

 今まで、この質問を何度受けたことでしょう。

いつも、私の考えはすぐには言わないようにしています。施設のコンセプトを考えてもらうには非常に分かりやすく、良い機会だからです。

 実際には、ほとんどの温浴施設にTVが設置されていると言っても良いでしょう。

温浴施設にはたくさんのTV設置が可能な場所があります。ロビーや飲食コーナー、休憩コーナー、TV付きリクライナー、サウナ、露天風呂…TVがあれば、お客さまはそれを観ることでしょう。

しかし、TVを設置したからと言って集客が増えているわけではないと思います。

街頭テレビの時代ならともかく、今どき誰の家にだってTVくらいありますし、携帯でも見れる時代です。TVがあることが、「温浴施設に行きたい」動機付けにはならないのではないでしょうか。

Yakyuuたしかに、世間が注目するビッグニュースがある時や、オリンピック、ワールドカップなど一大イベントがある時は、温浴施設の集客が落ちる傾向があります。

TVに集客を奪われるのを少しでもカバーする意味で、施設にTVが設置されていれば、来店してそこで観てくれるのでは、という期待はあります。

これは「行かない理由」をひとつ減らしただけで、「行きたい理由」が増えたわけではないのです。

上記のようなビッグニュース・ビッグイベントの時を除けば、お客さまがTVを観ている理由は「つまらない、退屈だから」に過ぎないのではないでしょうか。

もしTVを撤去した時に「つまらない、退屈」な時間しか提供できないとしたら、それこそが問題なのではないかと思うのです。

以前あるスーパー銭湯で、「露天風呂にTVを設置したら、お客さまから大好評でした。」と言われたことがありました。たしかにそういう声もあるのかも知れませんが、私個人としては、露天風呂とは風を身体で感じたり、鳥のさえずり、虫の声が聞こえたりする場所であって、TVを見る場所とは思いません。

その場所にTVが置いてあることで、非日常的な時間を過ごしたり、静かにくつろいでリラックスしたいと期待していた人は、クレームを言わず黙って去って行っているのではないでしょうか。

周りに自然環境がない露天風呂でも、かがり火のゆらめく炎を眺めたり、風鈴の音が聞こえたりといった演出は可能だと思うのです。

Tree 「お客さまに何を提供したいのか」「どんな時間を過ごしてもらいたいのか」を思う時、もう一度本当にテレビが必要なのかを考えてみて欲しいのです。

館内に1台もTVを置くべきでないとまでは申しません。しかし、どこに何台置くのか、どんな番組を流すのかといったことは慎重に考えないと、安易に自らの存在意義を否定してしまう(行かない理由をつくる)ことにもなりかねない問題だと思っています。

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  株式会社アクトパス 代表取締役 望月 義尚
  〒104-0061東京都中央区銀座3-11-5 第2中山ビル7階
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信頼や共鳴はテクニックではつくりだせない

Saiboku  先日弊社メンバー4名で、近くに用事があったついでに、埼玉県日高市にあるまきばの湯に立ち寄りました。

まきばの湯は、徹底した本物志向の牧場で知られる株式会社埼玉種畜牧場サイボクハムが経営する日帰り温泉で、豊富な湯量に恵まれた天然温泉を掛け流しで楽しめる施設です。

 そのばきばの湯で、ちょっと考えさせられるできごとがありました。

入浴の後レストランで食事をして、さてそろそろ帰ろうかという時、珍しく全員が売店で土産品を購入したのです。

購入品はハムやソーセージであったりパンであったりとそれぞれでしたが、そもそも温浴施設に行って全員が売店を利用するということが過去になかったことなので、ちょっとびっくりしました。

これはサイボクで売られている食品が品質の良いものであることを理解しての行動なのですが、温泉やレストランなど随所で本物志向に触れ、その体験を持ち帰りたいという気持ちが働いたのだろうと想像しています。

その行動は、個別の商品やサービスの質を吟味したり、価格を検討したりといった通常の購買心理プロセスを経ることなく起きるようです。

これこそが、企業理念やその根底にある経営者の人間性に対する「信頼」であり「共鳴」なのだと思います。

顧客の目に映る部分をテクニックで飾ることはできても、根底にある理念や人間性を飾ることはできません。

経営はトップで99%決まると言われますが、サイボクハムが長く愛されてきたように、きっとまきばの湯にも多くのファンがいるのでしょう。

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制度の限界

 ニュースで医療費が34兆円を超え、6年連続で過去最高を更新したことが報じられています。

特に、高齢者医療費の構成比や一人当たり医療費の数字から、高齢者の医療費負担が大きいことが主要因であることが指摘されています。

 日本が急速に高齢化社会に移行していく中で、最も大切なことは高齢者がいかに生き甲斐をもって健康的な日々を過ごせるかです。

長寿医療制度(旧称:後期高齢者医療制度)が「うば捨て山制度」として問題になっていますが、今後の日本経済の展望や年齢構成の将来を考えれば、制度をいくらいじったところで、医療費の負担が厳しいことは変わらないでしょう。

その皺寄せを弱者に向けるだけなら、日本は戦後の復興や高度経済成長を支えてきてくれた方々に対する尊敬や愛情を持たない、非情の国でしかないということになります。

 業績が厳しくなった企業がドライなコストカットやリストラ、極端な成果主義に向かえば、損益計算書上は瞬間的に回復したように見えても、長期的な成長力を失いやがて企業の存続そのものが危うくなる。

これは今まで多くの企業が陥った失敗パターンであり、自明の理といってもよい法則なのですから、国全体でそのような過ちに向かって行ってはならないと思います。

制度上は弱者に対するセーフティネットを確立しつつ、長期的な展望を見出すためには、医療費問題=健康問題はもっと本質的なアプローチをしていかなければならないのではないでしょうか。

●何故、日本の医療費は50年間で140倍にも膨らんでしまったのだろうか?

●どうしたら医療費をかけずにもっと健康的な生活を送ることができるのだろうか?

私はこうした国家的問題を論ずるような立場ではありませんが、一市民として、このような問題提起に対する議論がなされ、明快な対策が講じられているようには感じられないのです。

と、文句を言っていても仕方ありませんので、私は自分にできることを粛々と実行するだけなのですが。

【関連記事】
医療と温浴 20090321
国民医療費ついに32兆円 20060826

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伝統工芸にふれる

身内の結婚式があり、樽酒の鏡割りの準備をする役目を仰せ付かりました。

そのような仕事をするのは初めてだったのですが、ネットでやり方を調べ、道具を持参して挑戦。

Kagamiwari1

竹のタガが想像以上に堅く、20分ほど酒樽と格闘することに。

Kagamiwari_2

真剣そのものです。

タガがなかなか緩まないし、ようやく緩んだと思ったら、緩み過ぎて中の酒がこぼれ出すし。

樽酒とは、豪快なように見えてなかなか繊細で難しいものです。

日本の伝統工芸にふれ、あらためて日本人の知恵と器用さに敬服する思いでした。

しかし、これでもう私も鏡割りのプロに仲間入りですので、おめでたい席がありましたら、いつでもご用命ください。

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逆宣伝?(汗)

 マクロビオティックをはじめると、男性の方が身体に変化を生じやすいと言われているらしい。

それまでの食生活とのギャップが大きいからでしょうか。

ところが私の場合、もともと一日一食は玄米を食べていたことに加え、平日の昼食と夕食は常に外食ですので、ほとんど食生活が変わっていません。

さらにこの季節は日増しにビールが美味しくなるので、ますます身体に悪そうな食生活になりつつあります。

結果として、体重も体調もまだ変化がありません。体調は元から健康体だったので変化がなくとも仕方ないのですが、体重はもうちょっと減ってほしいものです。pig

いろいろと知識は増えたので、食べながら「こういうモノは食べちゃいけないんだよなぁ。」とか「ちょっと陰性に傾きすぎたかな?」とか、いろいろ考えるようにはなっているのですが…。

このままだとマクロビオティックの逆宣伝になってしまいかねないので、やはり外食の部分を見直すしかなさそうですが、外食の内容を変化させるのは難しいことにあらためて気づかされます。

Gveggie20090711去年あたりから「メガなんとか」が流行ったりしていますが、もうちょっと健康に気遣った飲食店が増えて欲しいものです。

写真は7月11日の料理教室で習った「小松菜と大葉のジェノベーゼ風パスタ」「トマトとキアヌのクリアスープ」「きゅうりとラディッシュのわさび醤油和え」「蒸し野菜サラダ」。

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客単価の違いは意識の違い

K_2  最近新しく弊社の社員として加わってくれたKさんは、以前一泊10万円の高級温泉旅館でマネージャーを担当していた人で、和服の似合いそうな美人です。

先日市場調査でKさんに一日同行してもらうことがあったので、移動中に「一泊2万円の旅館と10万円の旅館は何がどう違うのか?」という質問をしてみました。

「10万円の旅館はもちろんハードも贅沢になっていますが、一番違うのはスタッフの意識だと思います。」

「身だしなみひとつとっても、2万円の旅館なら『このくらいのことはいいや。』で済まされることが10万円だと許されませんし、そういうことにも意識が行き届くようになるのです。」

それを聞いた時に思ったのは、「スタッフの行動が客単価をつくる。価格設定がスタッフの意識を決める。」ということです。

たとえ料金表にいくらと表示しても、サービスの内容がその料金に見合わなければ、狙った客単価にはなりませんし、無理に不相応な料金をいただけば不満足になって客数減になるだけでしょう。

逆にどんなに躾やマナーを教育しても、従業員が「そこまでやる必要はないだろう。」と思っていたら行動は絶対変わりません。

 温浴施設と旅館では価格帯が一桁違いますが、この原則は変わらないと思います。

仮に入館料を500円にしたら、スタッフは500円なりの行動・サービスしかしなくなるのです。かといって、コンセプトや戦略も曖昧なまま単に料金だけ高くしても、スタッフもお客さまもついてこないでしょう。

料金設定とは、マーケティング的な側面もありますが、それ以上にお客さまにどれだけの満足を提供しようとしているのかという「志」であり、それをハード・ソフトでどう表現し、現場に伝えていくのかが、経営者の重要な仕事なのだと思います。

そう考えると、「値下げとは、志の挫折である。」ということになるのではないでしょうか。

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風の愉しみ

Bbq20090705  昨日は娘の保育園の関係で大勢が集まり、地元の果樹園でバーベキューをやりました。
いつも思うのですが、屋外で食事をすると、普段の食事よりもずっと美味しく感じます。

焼いただけの肉や野菜を紙皿と割り箸で食べたり、缶ビールがちょっとぬるくなってしまったり…手間のかかった調理や小洒落た演出もありませんが、屋外で仲間とワイワイやりながらの食事は、同じ食材を何倍も美味しく感じさせる効果があるようです。

 個人的に、外の風に吹かれるのが大好きです(できることなら逆風より追い風がいいのですが)。夏の暑い日でも、風があれば快適に過ごせますし、露天風呂で風にあたっていると、心も身体も癒されるような気がします。

 元々、日本人は屋内と屋外の境界が曖昧な空間で生活してきました。

コンクリートとサッシで密閉された空間ではなくて、土間や縁側など、屋内でもない屋外でもない空間で自然環境を巧みに取り込むと同時に、季節の変化に柔軟に対応出来る機能を備えているのが日本建築なのです。

四季折々に温度や湿度が目まぐるしく変化する日本の気候では、密閉して一定の環境を保とうとするよりも、ある程度外部変化に応じて、むしろそれに合わせた過ごし方をする方が合理的だったのかも知れません。

 温浴施設にも、露天風呂をはじめ、ウッドデッキ、テラス席、中庭など、外気にあたってくつろげる空間がつくられるようになっています。

普段、密閉されて空調の利いたマンションやオフィスなどのコンクリートの建物で過ごしていると、風を感じながらリラックスできる時間は貴重です。

屋根や壁、空調設備がなければ、建築コストも低く抑えられます。

ピーク時の収容人数に合わせた施設面積を確保しようとすると、どうしても建築コストが増大しますが、オープンな空間をうまく活用すれば床面積や建築コストを抑えながら、収容人数や顧客満足度を高めることも可能なのです。

テラス席なら食事も美味しいし、喫煙者だって、狭くて臭い喫煙席や喫煙席よりもできれば換気の良い空間で過ごしたいものです。

サウナや岩盤浴にクールルームがついていることがありますが、私はこの空間を快適と感じたことはあまりありません。汗をかいた後には、不自然に冷たい風は心地よくないのです。

 一時期、クールルームのために人工的に自然の風を再現する空間づくりを研究していたこともありましたが、やはり自然の風のゆらぎや、たっぷりとした風量にはかなわないようです。クールルームにコストをかけるよりも、オープンな空間を多くつくった方が喜ばれると思います。

 こういうことを言うと、雨の日や真夏、真冬はどうする…といった意見を言う人もいますが、東北や北海道の真冬を除けば、日本の四季はそれほど厳しいものではないので、対処の方法はいろいろあると思っています。

夏は団扇を置いたり風鈴を吊ったり、冬ならひざ掛けや屋外用ストーブ、雨の日は洒落た番傘のサービス…逆にそういうところが運営力の見せどころだと思うのです。

【関連記事】
喫煙問題、未解決。 2007/03/24

チーム・マイナス6% 2006/07/29

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商い三年

「商い三年(あきないさんねん)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

これは「商売というものは、利益を上げるまでには三年くらいの時間がかかる。三年は辛抱せよ」ということで、有名な「石の上にも三年」ということわざにも似ています。

このブログも最初の記事が2006年6月9日なので、書き始めて3年が経過しました。

いつの間にか投稿した記事数は400件、アクセスカウンターは10万アクセスに達しようとしています。

世間の人気ブログとは比べるべくもないですが、「温浴」というテーマ中心に書いているので、自分としては振り返ればよく書いたものだなぁ、と思いますし、こんな限定的な世界の話に10万アクセスというのもありがたい話です。

読者の皆様には心より感謝申し上げます。

 最近は1日に50~100人くらいの方に読んでいただいているようです。頻繁にアクセスしていただいている方もいらっしゃるようなので、しばらく更新をサボると申し訳ない気持ちになります。

3年経つと、何かが変わるのだろうか?と期待しているのですが、今のところ大きな変化はないようです。

創業以来3年間続けられて、こうして振り返っていること自体がすでに奇跡的なのかも知れません。

自分としては、考えていること、やりたいことの入口付近をウロウロしているようなつもりですので、温浴の仕事をしている限り、この世界の探求はまだまだ続きます。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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