カテゴリー「温浴業界について」の19件の記事

温浴業界、ツイてるぞ!

 今年とんでもなく高かった燃料代ですが、原油の国際相場はこの3ヶ月で半値近くになりました。→ドバイ原油チャートはこちら>>>

さらに円高ドル安が進んでいますので、輸入価格は三分の一にまで落ちています。これは、2005年並みの水準になったということです。

間もなく、重油やガソリンをはじめとする各種エネルギーコストにも反映され、家計の負担もそれなりに軽減されるようです。温浴施設の水道光熱費負担はかなり軽減されることになるでしょう。

 考えてみれば、温浴施設にとっては燃料消費の少ない夏場に原油価格がピークとなり、消費の増えるこれからのシーズンに下がるのですから、ありがたいタイミングでした。これがもし反対のシーズンだったらと考えるとゾッとします。

運送業界など、原油価格に翻弄された他の業界に比べれば、温浴業界はまだツイているということです。

もし夏場の価格水準が続いたとしたら消し飛んでいたはずの利益が、手元に残ることになるのです。

無かったはずもの、と言っては語弊があるかも知れませんが、ぜひその資金を施設改善やサービス向上など経営のレベルアップに投資して欲しいものです。

今の温浴業界の苦戦は、水道光熱費の問題だけではないのですから。

【参考記事】
原油価格が下がり始めた 20080826

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ふたたび安近短

 航空機の燃油サーチャージ上昇、景気への不安感などが悪材料となって、夏休みシーズンに向けた旅行商戦は湿り気味のようです。

 その半面、バブル経済崩壊後にレジャー産業などでよく言われた「安く、近く、短距離(安近短)」の旅行ニーズは拡大するとみられ、原油高や景気不振という環境変化によって思わぬメリットを享受しそうな業界もあります。

 考えてみれば、1990年代以降温浴業界が急激に発展してきた背景には、この安近短というキーワードがありました。

「海外旅行でリゾートスパや、高級温泉旅館に行ってのんびり癒されたいけれど、そんなお金も時間も…」というニーズに、スーパー銭湯や日帰り温泉がピッタリはまったのです。

そう考えると、この原油高や不況感も逆風とばかりは言えません。捉えようによっては追い風なのです。

「今はコストダウンでじっと我慢」という守りの経営ばかりでは、ジリ貧は避けれらません。

いつやむとも知れない強風が吹き荒れていますが、兵糧が底をついて身動きがとれなくなる前に、機を見て攻めに転ずることも必要と思います。

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温浴業界の大淘汰時代

 最近弊社に温浴施設の売却のご相談が次々と寄せられています。2年前に創業した頃は岩盤浴開業のご相談が同じように続々と舞い込んできたものですが、昨今の時流変化の激しさには驚かされます。

Onyokuzougen  かつての温浴施設開業ラッシュからちょうど10年が経過していますので、大規模な修繕やリニューアルの時期でもあり、追加投資して事業継続か、売却かという岐路に立つ施設が増えているのでしょう。(グラフは年度別業態別の温浴施設の増減数を示したものです。)

この点はある程度予想していたことなのですが、さらに昨今の燃料や仕入れのコスト高や不況感等々によって、事業の先行きに見切りをつけての売却という事情もありそうです。これは正直ここまで厳しいものになるとは想定外でした。

 これからの時代に生き残れる温浴企業とは、

  1. 運営力によって客単価を向上させられる力
  2. リピート客をしっかりつかめる力
  3. コストをきっちりコントロールできる力

という3つの力を持った企業です。

そうでない企業は、次々と市場から撤退を余儀なくされる厳しい時代に突入したということを、ご支援先の現場で日々感じています。

しかし、厳しい状況ではありますが、打つ手が何もないわけではありません。むしろまだまだ手つかずのことが沢山あるのです。

この経営環境の変化は、温浴業界がもう一段階進化できるかどうかの試金石なのだと思っています。

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新技術ゆえに…

 エネルギーコストの高騰、そして環境問題が日増しに深刻さを増しています。

温浴事業は水やエネルギーとは切っても切れない関係にありますので、その影響をモロに受けています。

Touyukakaku_2 未来の見通しを立てるのは難しいことですが、おそらく当面はエネルギーコストが急に下がったり、環境問題について対策を講じなくてもよくなる可能性は低く、むしろ今以上に難しくなる一方なのではないかと思われます。

現実に数年前と比較して燃料コストは2~3倍に膨れ上がっており、既に経営難に陥っている施設も少なくありません。それを指をくわえて見ているだけでは、将来温浴事業の成立そのものが危ぶまれるようになる恐れもあります。

これに対抗する手段として、弊社では省エネルギーや環境対策の手段を模索しており、いくつかの有望な新技術についての情報を得ています。

ただし、いままで世の中に出ていなかった技術ですから、いろいろな意味でまだ未成熟であることは否めません。実績や科学的実証データが不足していたり、販売や施工の体制が整備されていなかったり、企業として不安定であったり…と、様々な課題を残しているのです。

これらをサポートして世に出していくお手伝いをすることも、これからの弊社の重要な役割なのではないかと考えています。

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温浴業界の意識の変化

 2月19日に開催を予定している「飲食部門を90日で主力化する方法」セミナー申込が満席となり、先週末からキャンセル待ち状態となっています。

DM発送から2週間足らずで満席になるというのは、予想外の出来事でした。

正直申し上げて、今回のセミナーは「参加人数はそれほど多くないだろう。」と考えていました。

そう考えた理由はいくつかあります。

  1. かつて前職時代に何回も温浴ビジネスセミナーを開催しましたが、『飲食』などの限定的なテーマよりも、「温浴施設の客数アップ」といった総合的なテーマの方が人気が高かった。wobbly
  2. 株式会社アクトパスはまだ創業したばかりで会社としての知名度が乏しい。bearing
  3. 名簿の質・量ともにまだまだの状態。weep

といったことです。これらの要因があるにもかかわらず、多くのお申し込みをいただいたのは、やはり業界の意識がハッキリと変わってきた、ということなのだと思います。

 かつて競合が緩やかで、消費者の利用体験も浅かった時代には、温浴施設をつくって、それなりの浴場設備があれば、どんどん大量集客できたものでした。

1日に何千人という集客を誇る健康ランドやスーパー銭湯も珍しくなかったのです。

 しかし、一地域に複数の温浴施設が出店し、利用経験豊富な消費者が増えた現在、一施設が大量集客をすることはもはや困難な時代に入っているのです。

客数志向が困難になれば、客単価志向へと向かわざるを得ません。客単価を高める方法として売上構成比の高い飲食部門の存在は重要です。

それが、今回のセミナーに関心が集まっている理由なのでしょう。

 激しく変化する時代に合わせて、温浴ビジネスのあり方も変えて行かなければなりません。「温浴ビジネスの構造改革」はこれからも重要なテーマだと考えています。

 

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温浴産業と呼ばれる日

 近年急成長を遂げてきた温浴業界も成熟期へとシフトし、今、激しい変化と淘汰の波にさらされています。

2006年秋以降、岩盤浴報道や道路交通法改正を契機に、それまで右肩上がりだった成長曲線に急ブレーキがかかったようです。2007年も売上前年割れを起こす店舗が続出しました。

 しばしば「岩盤浴の次は何が流行るのでしょうか?」といった問いかけも聞こえてきますが、そういった目先のアイテム入れ替えで乗り切れるような問題ではなさそうだと感じています。

成熟期なのですから、器(施設)だけでなく、サービス業としての中身の成熟度が問われているのです。

 おがわ温泉花和楽の湯の新田社長が今日(2008年1月2日)配信したメルマガの一文をご紹介します。

(前略)
>  私がファミレスで修行していた時は、もうかれこれ
> 10年近くも前になります。
>
> それでも、今の日帰り温泉よりは、システムや考え方
> などでは、10年前の外食産業の方が進んでいました。
> これが、温浴業界と外食産業の差(業界と産業)なの
> だろうと思います。
>
> 外食産業は、大昔は水商売と呼ばれ、次に飲食業、そ
> して今の地位である外食産業を確立してきました。
>
> 当時の社長さんたちが、社員に夢を語り、具現化して
> きたのだろうと思います。
>
> 大手ファミレスチェーンが出始めたのが1970年ごろだ
> ったと思います。もう約40年前になります。
(後略)

このような視点があれば、次に何をすべきかはおのずと見えてくるんだろうと思います。

飲食・ホテル・旅館・レジャー等々、お隣さんの業種にも、ヒントがたくさんあります。

いつか、「温浴産業」と呼ばれる日を目指して、弊社にもこれからやるべきことが山のようにあります。

 

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廃墟か再生か

 昨日、営業不振で閉店した温浴施設を診断してきました。営業不振といっても開業から1年経っていない真新しい施設で、館内はまだキレイなままです。

電気も水道も止まっており、静まり返った真っ暗な館内を懐中電灯を持ちながらひとつひとつチェックしました。

20071211 まだ新しいので、お化け屋敷のような不気味さはないのですが、床に何かが転がっていたりするとちょっとビクッとしたりします。

 懐中電灯の明かりを頼りに廃業した温浴施設の中を歩くのはこれで二度目です。前回は琵琶湖畔にある大型温浴施設で、三回も店名と業態が変わり、ついに廃業に追い込まれた施設でしたが、現在は見事に再生を果たし、繁盛店に生まれ変わっています。

 今回の命題は、「なぜ赤字だったのか。黒字化し、新たな運営会社がつく可能性はあるのか?」ということです。

資産価値のある設備や備品類はほとんど撤去されていましたので、残された痕跡から営業時の状態を正確に把握するのは難しいのですが、それでも問題点がいくつか見つかり、どうやら黒字化は可能ではないか…という感触を得ることができました。

本来10億円もの投下資本が水泡と帰すなどあってはならないことですが、現実にはこのまま廃墟と化すのか、再生して投資回収に向かうのかの大きな岐路に立っています。

 これはこれで責任重大なやりがいのある仕事ですが、最近、このような話が増えつつあり、ひとつひとつの案件に対応することに限界を感じてもいます。

株式会社アクトパスはまだ小さな組織ですので、対応できる案件数は限られてしまいます。個別案件対応だけでなく、業界全体の進化に貢献できるような、別のアプローチ方法をつくり出さなければ、という思いが日々強くなっています。

 

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あした晴れるか

 飲酒運転問題と岩盤浴報道でダブルパンチをもらい、集客に急ブレーキがかかったのが2006年の9月。その後も温泉爆発事件などがあり、温浴業界全体がなかなか浮上できないまま1年が経過しました。

 昨年の9月は既に下がった数値なのですから、今年9月も昨対をクリアできずに2年連続ダウン、という事態はなんとか避けたいところです。

かつて来ていたお客様はどこへ行ってしまったのでしょうか。客数ダウンがなかなか回復しない原因は、風評被害や新しくできた競合店のせいばかりではないと思います。

 時間とお金をかけ、身体をあずける場所は温浴施設とは限りません。入浴剤メーカーは自宅のお風呂タイムを豊かに過ごす方法を提案しています。健康や癒しをコンセプトにした飲食店も登場しています。競合を数え上げればきりがありません。

自家風呂の保有率が95%を超えた現在、お客様はお風呂で体を洗うためにやってくるわけではありません。楽しさであったり、美や健康であったり、癒しであったりという目的のために温浴施設を選択しているのです。

しかし、これからはあらゆる商品・サービスが競合となり得るという前提で、本当に消費していただく時間とお金に見合うだけの納得性があるのかどうかが問われています。

浮上できるかどうかのカギを握るのは、まずこの認識だと思います。

 

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温浴とフィットネス

「このままだと、温浴マーケットはフィットネス業界に食われかねませんね。」

最近こんな会話になることが頻繁にあります。

 実際、天然温泉を掘削しているな、と思ったら温浴施設ではなくて温泉付きのフィットネスクラブができたり、ワウディーのようにプールの代わりに岩盤浴を備えたフィットネスクラブも続々と出店しています。

弊社でも昨年、フィットネスクラブに温浴施設を導入するリニューアルを提案しました。結果は上々です。

 月会費が一万円前後だと、月に20日通えば1回あたり500円ですから、温浴施設のヘビーユーザーと比較しても、あまり費用負担は変わりません。

風呂やサウナ、岩盤浴などの温浴設備があって、さらにトレーニングマシンやスタジオがあり、健康に関する専門知識を備えたトレーナーが居て…となると、フィットネスクラブの方が魅力的と感じるユーザーも少なくないでしょう。

 フィットネスに限らず、飲食、宿泊、レジャー、医療など、今まで別の業界と思っていたところが、これからは強力なライバルになる可能性があります。

彼らはサービスレベルや専門ノウハウなど既存の温浴施設にはないものを持っています。

もうスーパー銭湯が増えたとか、そんな次元の話ではなくなりつつあるようです。

 

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ご心配なく。

 前回のブログで「既存温浴施設が苦戦、風向きが変わり温浴業界の成長に翳り」という主旨の記事を書いたところ、複数のお客様から「温浴業界はもうダメなんですか!?」というお問い合わせをいただきました。

 私が以前から申し上げていることを継続的に知っていただいている方々にとっては、そんなにびっくりするような話でもないと思うんですが、単発で記事を読むと確かにちょっと心配になるのかも知れません。

 でも実際はそんなに心配するようなことではないんです。

お風呂に入る文化は日本人に古来から根付いているもので、公衆浴場の歴史をひも解けば日本書紀や万葉集の時代にまで遡ります。そもそもパッと登場して数年で消えていくような一過性のブームに乗ったビジネスではないのです。

 ただ、近年は一部業者の甘言やマスコミの煽りによって「温浴施設はつくれば儲かる。運営も簡単だから誰でもできるし。」というような誤った認識が広がり、安易に参入してしまわれるケースが多かったことは否めません。

 需給バランスが有利な地域であれば、つくっただけでそこそこ繁盛店になってしまう時期がありました。

しかしこれは他の商売から見れば異常なことで、「施設をつくっただけで後はホッタラカシでも繁盛店」なんて、本来はありえません。

今までがちょっと異常で、ようやく普通の商売並みになってきたということなのです。

 以前からことあるごとに申し上げてきました、

  • 温浴ビジネスは装置産業ではなく、サービス業であり、ホスピタリティビジネス。
  • スーパー銭湯業態もいずれ限界を迎える。業態はボーダーレス化していく。

といったことがだんだん現実のものになってきているというだけのことで、業界の将来を必要以上に悲観する必要はないのです。

もちろん、以前から分かっていたことですから、対処法もたくさんありますのでどうかご心配なく。

 

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向かい風と成長の限界

 最近、全国的に既存温浴施設が集客に苦戦していることを実感させられます。

親しくお付き合いしている温浴事業経営者の方々からは、「かなりの経営努力をしているのに昨年と同水準を保つのが精一杯」というため息も聞こえてきます。

実力のある繁盛店でも苦戦ですから、そうでないところは昨対2割ダウンという例も珍しくありません。

開業して間もないところを除くと、全国的に昨年対比で業績を伸ばしている温浴施設はかなり少なくなっているのではないでしょうか。

 風向きが変った原因はいくつも挙げられます。

  • 競合施設が急増して過当競争になる地域が増えたこと。
  • 豊富な利用体験によって、消費者の目が肥えたこと。
  • 飲酒運転問題、岩盤浴の衛生問題、温泉爆発事故とマイナスの出来事が続き、余暇活動の選択肢の中で「温浴」の優先順位が下がっていること…。

Kaze  どんな業態や商品でも、遅かれ早かれライフサイクルカーブは導入期から成長期、成熟期、衰退期へと移り変わります。

戦後日本の温浴業界は、銭湯からヘルスセンター、健康ランド、そしてスーパー銭湯と主役を交代しながら順調に市場規模を拡大してきましたが、これから先はどうなのでしょう。

今までいろいろな機会に「高齢化社会や健康志向の高まりという面で、これからもマクロには追い風が吹いています。」と言ってきましたが、風をとらえるための帆を張らなければ、追い風に乗ることはできません。

シルバービジネスにも健康産業にも、温浴業界以外のライバルがたくさんいます。スーパー銭湯に代わる牽引役が登場しない限り、これ以上の成長は望めないのかも知れません。

 与党の大敗、株価の下落など、世の中の風向きも大きく変わりつつあるようです。過去の経験にこだわらず、ゼロから考えてみる。──その必要性を強く感じています。

 

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温泉ガス爆発の報道もすっかり静かに

Q1「温泉が強アルカリ性なので、塩素に代わる滅菌方法を導入したいんですが。」
A1「強アルカリ性の温泉に塩素滅菌が効きにくいことはわかりますが、法律で決められている以上、とにかく塩素は入れてください。」

Q2「温泉施設に岩盤浴を併設したいんですが、専用ウェアを着ていますので、男女混浴でもいいですよね。あと更衣室は浴場と共有でも大丈夫ですよね。」
A2「岩盤浴は浴場とみなされていますので、着衣かどうかに関わらず男女混浴は認められませんし、岩盤浴場の手前に必ず更衣室を設けてください。」

Q3「日帰りの温浴施設に、ご家族や介護が必要な方が入浴するための家族風呂を設置したいんですが。」
A3「○○県では日帰り施設において家族風呂の設置を認めていません。」

 上記の文を読んで「あれっ?自分が知ってるあの施設ではOKなのに…?」と思われた人も多いのではないかと思います。

でも、上記のようなやりとりは実際に各地の温浴事業者側と行政の間で行われているのです。全国の実態をよく知らない担当者が法律を拡大解釈してしまったり、慎重になり過ぎてそのような対応になってしまうようです。

他にもヘンだなぁ、と思うことはたくさんあります。

 行政の一担当者の立場としては自分の判断が原因で後で問題が起きては大変ですから、なるべく許可せず、厳しく規制する、という方向へ向かってしまうのは理解できなくはないのですが、事業者側としては現実にまったく機能しない施設対応に費用をかけなければいけなかったり、施設の魅力が削られてしまうような規制を、ハイそうですか、と受け入れることもできませんから、ここで不毛な衝突が起きてしまい、苦労させられています。

 一方で、先日渋谷区松濤の温泉施設「シエスパ」で起きた爆発死傷事故では、安全対策の不備が原因とされており、法規制や行政指導のあり方にも一石が投じられました。このような事故が起きると、温泉掘削や利用に関して、いままで以上に規制を厳しくせざるを得ないことでしょう。

 事故については、死傷者が出ている以上、責任の所在を追及することは当然のことと考えます。しかし、この事件はそれだけで終わらせて良いのかという疑問も感じるのです。

 5年前に起きたレジオネラ菌集団感染事故のことを思い出します。あの事故が起きてから、濾過循環滅菌に関する業界の認識が変わり、法規制も厳しくなりました。確かにレジオネラ菌による事故は起きにくくなったと思います。しかし冒頭のQ&Aのような現実にそぐわない間抜けなやり取りは依然として行われているのです。

岩盤浴施設などは10年前にはまだ数箇所しかなかったのに、今は全国に1,400箇所を超える施設が存在しています。その設備も運用方法も未だ発展途上にあります。

 問題が本質的に解決したわけではない、と思います。

 温浴業界はまだ小さな業界であり、大型化、複合化した施設がつくられるようになってから歴史が浅く情報も不足しています。日進月歩の業界に対して、法律に限らずどうしてもいろいろな面が後追いで整備されている状況にあるのは否めません。

 基礎が弱ければ、その上に大きな建物を建てることはできません。業界が健全に発展していくには、より強固な基礎が必要になる、という思いが日々強くなってきています。

【関連記事】
苦い記憶 2006/08/03

 

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岩盤浴ブーム沈静化?

「じゃあ道端に寝っころがってる酔っ払いはどうなるんだ。」

「そんなことを言い出したら、公園のベンチも電車の吊り革も不衛生極まりないぞ!」

…というのが、昨年秋に巻き起こった岩盤浴バッシングの時に感じていた私の本音でした。

週刊誌で次々と衛生問題が指摘され、「岩盤浴は不潔で危険」というマイナスイメージが一気に広がっていくことに、温浴業界の発展を願う者として反発を覚えたのです。

 岩盤浴は着衣のまま横になっているだけなのですから、お風呂のように裸で浴槽につかり、時には目や口にもお湯が入る可能性を考える必要はないわけで、公衆浴場のような高度な衛生管理を求めるのはいささか過剰反応なのではないのか?と思ったのです。

 現実に衛生管理に問題のある施設が存在していたことも事実で、もちろんそれで良いと言っているわけではありません。ただ無菌室状態でなければ許されない、とまで過激に考える必要はないのではないか、ということなのです。

 しかし、そんな思いも空しく、岩盤浴ブームは今かなり沈静化しつつあるようです。

情報サイト岩盤浴情報館によれば、現在の施設数は6月27日時点で1,437店舗となっており、メルマガ週刊温浴ビジネス・キャッチアップ 2006/08/16号でご紹介した時点から10ヶ月で413店舗も増えていますが、最近弊社によせられるのは岩盤浴撤退後の空き店舗情報ばかりです。ブームの勢いに乗って出店したものの、相当数の店舗が業績不振に陥り、閉店を余儀なくされているようなのです。

週刊誌のバッシングだけが原因ではなく、マーケットや競合環境を考慮しない無計画な出店による業績不振や、設備的な問題を抱えて営業を断念するケースもあるでしょう。

 また地域によっては保健所の指導内容が必要以上に厳しくなっている傾向があり、そのことも岩盤浴マーケットの拡大を抑制する一因となっている気がします。

 以前書いたことを繰り返しますが、岩盤浴は従来の温浴施設(お風呂やサウナ)が対応できなかったニーズ(低温発汗性、プライベート性、コミュニティ性など)を開拓し、新しい入浴習慣を提供する可能性をもった温浴設備なのです。

 今までは急成長の陰でややもすると軽視されてきた「安全衛生管理」「長期メンテナンス性」「最適な温度と湿度のバランス」「お客様の快適性」といった要素をもう一度きちんと見直し、日本が生んだ新しい温浴文化のひとつとして健全に発展していって欲しいと願っています。

【関連記事】
・はじめての逆風 2006/9/9

 

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  TEL: 03-3524-2681 FAX: 03-3524-6126
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温浴業界の将来予測

 「望月さん、温浴業界はこれからどうなるんでしょうか?」

といった質問をいただくことがしばしばあります。

高齢化社会や健康志向の高まりを考えれば、温浴はマクロに見て他の業界よりも追い風が吹いてますよね。でも競合が激しくなりますから、個別事業者は今よりもレベルアップしないと苦しくなりますよ。」

といった当たり障りのない答えをすることが多いのですが、ちょっとこの将来予測ということについて本音を書いてみたいと思います。

 温浴業界の将来に影響を与えそうな要因を考えてみますと、

  • 人口要因 …全体の増減はもちろん、年齢別や地域別の動向などの影響
  • 交通要因 …郊外型健康ランドやスーパー銭湯が急激に発達した背景にはモータリゼーションがありました。今後も交通環境の変化があれば大きな影響を受ける
  • 経済要因 …経済動向、それにともなう可処分所得や余暇時間の変化の影響
  • エネルギー、環境問題 …原油価格の動向は無論のこと、節水や省エネ、環境技術の動向にも多大な影響を受ける
  • 法改正 …近年も公衆浴場法や温泉法の改正がありましたが、関連法規が変わればその影響は多大
  • 業者の動向 …設計や設備をはじめとして関連業者が提供する商品やサービス、技術の変化は温浴事業の内容を左右する
  • 健康・医療に対する意識 …予防医学や健康管理に対する意識はもちろん、病気の治療法に至るまで、その動向に温浴という分野が絡む可能性は大きい
  • 競合動向 …経営に最も直接的な影響を与える要因であり、この動向によって温浴事業者は経営方針の転換を強いられることも多い
  • 成功事例 …顕著な成功事例が登場すれば、それに習う事例が増える

といった様々な要因が挙げられます。そして、これらの要因のうちひとつをとっても複雑な要因が絡みあって変化していくものであり、そう考えると、いくらもっともらしい理屈で将来予測をしてみても、その通りになるかどうかは全く分からないことだと思います。

Aquaspa2007_0316_2 左図は先日のAQUA&SPA 2007のセミナーで使用した、温浴業態の将来変化を説明したマトリックスです。これも真剣に考えて作ったものですが、この通りになるかどうかは誰にも分かりません。

温浴ビジネスを研究してきた立場の私が言うのもヘンかもしれませんが、一見論理的・科学的に見える将来予測も、実は占いと五十歩百歩…といっても過言ではないのかも知れません。

だからこそ、「業界はこれからどうなるんだろう?」と言いながらその動向に流されるのではなく、「自分が業界を変える!」というくらいのスタンスで生きたほうが面白いと思うのです。「温浴業界」と言うとマイナーで狭い世界のようですが、その先に広がっている壮大な世界を思うと、ものすごくワクワクしてきます。

 

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AQUA&SPA2007を終えて

1  東京ビッグサイトで開催されたAQUA&SPA2007(国際ホテルレストランショー内企画展示)が3月16日で盛況のうちに終了しました。

この企画の歴史は、2001年に船井総合研究所が開催したAQUA CONVENTION 2001から始まっています。翌年より(社)日本能率協会様との協力関係が成立して国際ホテルレストランショーと合流し、現在の形になったのです。

3 以来合計8回(訂正:7回でした)の開催を重ね、今年は初めて企画者側ではなく1出展業者の立場で参加しました。立場が変わるといろいろと見方も変わります。

 わずか11社が出展した小さな展示会だった2001年を思えば、ずいぶん大きな展示会になったものだ、と感心する一方、8年経ってまだこれだけ…という気もしています。特にここ数年は、展示規模も出展企業もあまり変わっていないように思います。

2 昨年ドイツのINTERBAD2006の様子をレポートしましたが、ヨーロッパで開催される温浴の展示会はAQUA&SPAのおよそ10倍のスケールがありました。

しかし、現在のHCJは、「HOTERES JAPAN2007(第35回国際ホテル・レストラン・ショー)」「第28回フード・ケータリングショー」「第7回厨房設備機器展」)の3展合同展示会となっており、ひとつの展示会として1日で見て回るにはもう限界の大きさになっています。

つまり、HCJの中の企画として開催されている限り、いま以上にAQUA&SPAを大きくしたり位置づけを変化させることは、しにくいのではないかと思います。

ホテル・旅館業界や飲食業界に比べれば、温浴関連業界の市場規模はまだまだ小さなものですが、いまのAQUA&SPAのスケールが限界というわけではないと思います。

業界の発展には関連事業者や業界団体の進化が不可欠ですが、新たな業界団体も続々と立ち上がっている昨今、業界イベントもそろそろ次の形が模索されても良いのではないかと感じています。

 

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週刊ダイヤモンドでお風呂ビジネス特集

 ビジネス情報誌「週刊ダイヤモンド」2月3日号で、温浴ビジネスが取り上げられています。

特集
 にわかに沸き上がる 「お風呂」ビジネスの裏側

歴史 非日常としての温浴施設の新しいブームは10年周期
お風呂列島の夢と現実 事業再生に遊休資産活用に“お風呂”をめぐる企業の思惑
Column 週刊誌報道で大打撃 岩盤浴業界の焦燥
Column 10歳迎えたスーパー銭湯業界 勝ち残りを賭け“変身”に血道
仕掛人登場 競争のカギは風呂ではない 繁盛店はサービスに徹する

http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=20241020307

温浴業界がビジネスという側面から真面目に、かつ客観的に書かれており(いつもゴシップ週刊誌のいい加減な記事にうんざりしていたので)、なかなか読み応えがあります。

IT産業や自動車産業などと比べるとまだ産業にもなっていない小さな業界ですが、週刊ダイヤモンドがこうして取り上げるようになるとは、温浴業界もなかなかのものではないですか。

それに船井総研温浴チームやニュージャパンサウナ、花和楽の湯といった親しい人たちの名前が登場していたのもちょっと嬉しくなりました。

温浴産業」と呼ばれる日も近いか!?

  

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温浴とは

このブログでも頻繁に使っている「温浴」という言葉ですが、実はまだあまり一般的な言葉ではありません。

辞書を引くと、
おん‐よく〔ヲン‐〕【温浴】 [名](スル)湯に入ること。(大辞泉)
と書いてあります。(辞書に載ってて良かった。)

辞書には「湯」という文字が書いてありますが、実際には湯を使わないサウナや砂浴、岩盤浴等も温浴の範疇と考えられていますので、「身体を温めることで癒しや健康の効果を得ようとすることを「温浴」と呼ぶ。」と理解すれば良いのではないでしょうか。

「温熱療法」という言葉もあります。これも辞書を引くと、

おんねつ‐りょうほう〔ヲンネツレウハフ〕【温熱療法】 全身または患部をあたためることにより、新陳代謝を促進して老廃物を除去し、血液やリンパの流れをよくする治療法。温浴・蒸気浴・砂浴・罨法(あんぽう)など。(大辞泉)

とあります。温浴施設は必ずしも治療のみを目的とせず、リラクゼーション、リフレッシュ、デトックスといった目的でも利用されていますので、「温浴」という言葉の方が「温熱療法」よりもさらに広い意味で使われているという理解の仕方もあるでしょう。

「熱によって身体を温める」ということは、血液やリンパの流れを促進し、冷えやこわばりを改善する作用があります。これによって疲労を回復させたり免疫力が向上するといった効果があることは古来から知られており、現代医学でもがん細胞に対する温熱療法をはじめとしてさまざまな形で応用されている基本的な健康法なのです。

 弊社では、この「温浴」という概念を軸に、癒しや健康に関わるさまざまな研究開発を行い、サービスや技術、商品を提供しています。

「温浴事業の発展が人類の平均寿命を延ばす!」と信じつつ。

 

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スパ(Spa)という言葉

 ここ数年で「スパ」という言葉を頻繁に目にするようになりました。雑誌SPA & TREATMENT(スパ&トリートメント/飛鳥出版)が発刊され、日本スパ振興協会等の業界団体が立ち上がるなど、スパという言葉をとりまく活発なマーケットの動きを感じさせます。

スパというのはもちろん外来語ですが、英和辞書を引くと、
【spa】[名]

1 鉱泉(地);温泉(地).

2 ((米))(温泉地の)ホテル.

3 ((米))バブルジェットバス(spa bath).

(鉱泉で有名なベルギーの地名から)

といった説明が出ています。

英文の中にspaという言葉が登場した時は上記のような解釈を当てはめればよいのですが、日本語の中で「温泉」とか「温浴施設」ではなく、あえて「スパ」という言葉が使われている時は注意が必要です。

広義の「温泉・温泉地」や「温浴施設」という意味以外では、トリートメントサービス(マッサージやエステなどの施術)を主体とした施設に限定して使われている場合や、ホテルに付帯する温浴設備に限定して使われている場合、水を使った癒しのサービス全般を指す場合など、いろいろあるようです。

語源について調べてみると、ワロン語の「エスパ(泉)」、ラテン語の「Sanitas Per Aquas」の頭文字“S・P・A”だ、という説などがあります。 「Sanitas Per Aquas」という言葉は、ローマ皇帝ネロがローマ市内の噴水の前を通りかかったとき、「健康は水からくる」と叫んだという逸話からきたということです。

ベルギーの南東部に、その名もスパ(Spa)という温泉地があります。温泉だからスパという地名になったのではなく、実はこの地名の方が語源になって、英語の「温泉」という単語ができたという話もあります。

 いずれにしても、消費者からすると「温浴施設」や「公衆浴場」といった言葉は専門用語的で使いにくいですし、「銭湯」「スーパー銭湯」「健康ランド」「日帰り温泉」といった特定の業態を指す言葉は、その定義を正確に使い分けるのが難しいと思います。

「スパ」という言葉はシンプルで響きが良いですし、今後あまり難しい定義にとらわれることなく温浴サービス全般を指す言葉として定着していけば良いと願っています。

 

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苦い記憶

 昨日配信したメルマガで「温浴業界は情報不足」ということを書いていて、ふと昔の記憶が甦ってきま した。

前職の大手コンサルティング会社で温浴事業のコンサルティングをスタートし、どのような方向に活動していったら良いのかを試行錯誤(今もですが)していた頃のことですが、たまたまいくつか地方自治体から公共温浴施設の仕事をいただきました。

当時は第3セクターに代表される公共温浴施設の赤字が問題になっていて、いかにして健全な黒字の公共温浴施設をつくるかということに頭を悩ませていたのですが、その時ぶつかったのが「地元優遇」の壁でした。

 地方自治体で何かの施設を整備をする時は、最初の調査から企画、設計、施工に至るまで「なるべく地元企業に仕事を発注しよう。」という考え方があります。地域経済の振興を考えれば当然のことですし、打ち合わせのフットワークといった物理的な判断もあるのですが、こと温浴施設に関しては、ひとつの地域の中にある調査会社や設計事務所では、温浴施設開発に関する豊富な実績やノウハウを有していることはまれです。

結果として、経験不足・情報不足の状態の中で、企画・設計が進んでしまうこととなり、それが赤字公共温浴施設ができる原因になっているのではないかと感じました。

運営赤字の問題のみならず、初期投資の無駄遣い、顧客満足度の低さ、不十分な管理運営レベルなどの諸問題はすべて情報不足に起因しているのではないかと思いました。

 「このままでは問題を抱えた公共温浴施設が次々とできてしまう!」と思った私は乏しい人脈をたぐり にたぐって、当時の厚生労働大臣の秘書の方との面会にこぎつけました。

そして何度か議員会館に足を運び、厚生労働省の担当部署に文書で意見を伝えるところまではいったのですが、結果としては文書で 「国としては公共温浴施設開発が適正に行われるよう、これだけの支援・指導をしている」───という丁寧な回答を受け取り、交渉力に乏しかった若輩の私は、それ以上のアタックをあきらめました。

サラリーマン金太郎だったらここでひと暴れして、カッコ良く事態を切り開いてしまうのかもしれませんが、現実は漫画のようには行かず、当時の私はその文書を読んで失望してしまい、もう次の手が思い浮かばなかったのでした。

 それから約1年後、2002年の7月宮崎県日向市にオープンしたばかりの公共温泉で死者7人を含む300人近いレジオネラ菌集団感染者を出すという事故が起きてしまいました。原因は一言でいえば 「レジオネラ菌の危険性に関する認識の不足」でした。

設計段階から運営まで、すべてにおいて情報が不足していたのです。 温浴業界としても非常に残念な事件でしたが、同様の問題に気づいていながらどうすることもできなかった自分の力不足を情けなく思いました。

 今だからこうして書いていますが、当時は「業界の発展とか大それたことを言う前に、今はまず目の前にある仕事をしっかりやろう…。」と考えるしかなく、以来自分としては大きな話はあまりしなくなったように思います。

 あれから4年。業界はどのくらい発展したのでしょうか。そして自分自身はどれだけ前進できたのか。自分の責任で行動できる立場となった今、あらためて温浴業界の発展のためにできることは何かを考えています。

 

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