今やすっかり経営者の貫禄が出てきたおがわ温泉花和楽の湯の新田社長ですが、はじめてお会いした時はまだ32歳の青年でした(おっと、今もまだ中年じゃありませんね)。
最初にご相談をいただいた時から、「この小川町をもっと盛り上げたい!」ということをおっしゃっていました。
新田社長が花和楽の湯の開業プロセスを綴ったメルマガ「温泉開業日記」創刊号に、こんなくだりがあります。
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●どうして温泉をはじめようとしているのか?
武蔵の小京都、小川町。昔から宿場町として栄えた町、
和紙の町でもあります。今や首都圏とはいえ、昔栄えた
まちとしては、ちょっと寂しいものがあります。
この自分が生まれ育った町に何かできないか、という
漠然とした思いが小さい頃からありました。
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ふるさと創生資金を使った温泉掘削ブームはじめとして、「温泉で地域振興を」という発想は珍しくありませんが、多くの場合、「地域住民のために安価に入れる温泉を提供」「地元業者との取引条件を優遇」といった話になってしまうようです。それも確かに地域のためになっていはいるかも知れませんが、結果その公共温泉施設は経営が苦しくなり、税金を使った赤字の補填や第三セクターの破綻などの問題につながる原因にもなっているのではないでしょうか。
花和楽の湯は2004年4月に開業し、観光地でも何でもなかった小川町に年間25万人の入込み客を集め、「まっぷる」関東版の日帰り温泉読者アンケート2年連続人気NO.1となり、120人のスタッフの雇用を創出する存在となりました。これだけでも地域にもたらした活性化効果は非常に大きなものがあると思います。
さらに館内でも地元小川町を積極的にアピールしています。分かりやすい例を挙げますと、小川町には「太田ホルモン」という安くて美味いホルモン焼きの飲み屋さんがあります。まだ温泉開業を夢見て準備中の頃、ここで私と新田社長で一杯やっている時に、
私:「この串焼きは美味いですねぇ。」
新田:「このあたりは普通の焼き鳥ではなくて、カシラ肉を辛みそのタレで食べるのが主流なんですよ。」
私:「これ、温泉のレストランで出したら売れそうですね。」
新田:「売れそうですか?」
私:「ええ。東京の人にとっては珍しいですよ、これ。」
新田:「そうですか。」
というなりその場でホルモン焼きを焼いている親父さんと仕入れの話をつけてしまったのです。この即決の判断力と行動力もすごいと思いますが、今「太田ホルモンの串焼き」は花和楽の湯のレストランで月間1万本売れる人気商品に育っています。ついでにタレも商品化して売店で売っています。太田ホルモンの親父さんも、この売れ行きにはさぞかしビックリしているでしょう。

こういった形で今花和楽の湯で活躍している地元の商材がいくつもあります。単に地元業者と優先的に取引したり取引条件を甘くするといったことではなく、温泉と組み合わせながら地元の良さを最大限に発揮させるその手法は、地域活性化の素晴らしいモデルではないかと思います。
新田社長にとっては今の状態はまだ第1ステップにすぎないようで、まだまだこれから挑戦したいことがたくさんあるようです。花和楽の湯と小川町がこれからどうなっていくのか、私にとっても大きな楽しみです。
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