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温浴施設(銭湯・スーパー銭湯・健康ランド・日帰り温泉・サウナ・その他浴場を持つあらゆるビジネスの)コンサルタントブログ【一番風呂日記】にようこそ!

 

このブログは2006年にスタートし、温浴ビジネスプロデューサーの望月 義尚が、仕事で体験したことや思ったことを気まぐれに綴っています。温浴ビジネスの経営に関することや現場で実際に起きたことなども、いろいろ書きました。

現在は主な発信をメルマガ「日刊アクトパスNEWS」から行っておりため、こちらのブログの更新はお休みしておりますが、記録として記事はそのまま残してあります。 Ichibanburo_1 

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本当に消費しているのは女性

 温浴施設の券売機では男女を区別しないことがほとんどなので、男女別の消費傾向を数値で把握することは困難、という話を以前メルマガに書きました。 POSシステムであれば、男女別データは集計できますが、実際のところ家族で食事して注文はすべてお父さ...

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ロウリュ実施店舗マップ

 「日本全国ロウリュ事典」では、現在確認されているロウリュサービス実施店舗のリストを掲載しておりますが、この度GoogleMapの機能を使って、地図上にロウリュ実施店舗の分布状況をプロットしてみました。(※日本だけですよ。)  ...

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温浴セミナー開催のお知らせ

今回は、株式会社アクトパスの経営セミナー開催のお知らせです。   ↓詳細はこちらにアクセス! https://goo.gl/FNfNt5 いま、サービス業全体が人手不足に悩まされており、運輸や建設、小売、飲食、介護など...

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人材獲得競争

 ヤマトホールディングスが2017年度に1万人規模の人材を新規採用するとのニュースがあったかと思えば、ファミリーマートは2年間で10万人の主婦を採用する目標を掲げたそうです。   ヤマトは「従業員1人当たりの負担を和らげ働...

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人口10万人あたり公衆浴場数

 以前都道府県別の公衆浴場数と人口を比較して、10万人あたり公衆浴場数を算出したことがあったのですが、ふと思い立って久しぶりに最新の統計数値を使って再計算してみました。 ついでに銭湯とその他公衆浴場(温浴施設)に分けて、都道府県別ラ...

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温浴と深部体温(3)

  メルマガ320号「温浴と深部体温(2)」の文末に、「浴室を見ると、変えるべき点が見つかる」と書きました。   深部体温アップのための入浴法は、「ぬるめから徐々に熱さに慣らしながら、60分以上長湯すること」です。では、それを...

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「おふろやさんビジネスの今と未来2017」発売!

 日々執筆中の「日刊アクトパスNEWS」ですが、1年間に300タイトル以上の記事となります。 2016年分の記事を文字数にすると22万字。普通の書籍軽く2冊分以上です。 これを編集して、印刷製本しようかと思ったのですが、A4サイズにして...

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温浴と深部体温(2)

先日書いた尿温度測定による深部体温アップ実験の続きです。   今回の実験テーマは、半身浴による長湯でどこまで深部体温を上げられるか。   さっそく、例によって入浴前に半分だけ出した尿温度を測定。今日は36.6度で...

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温浴と深部体温(1)

 先日社内で、体温を上げると免疫力がアップし、40度くらい(温度には諸説あり)になるとガン細胞も死滅するということが話題になりました。   しかし、そうだとしたら日本人には熱い風呂に入る習慣があるのに、どうして世の中からガンが...

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サウナタイマー事業譲受の経緯とご挨拶

◆サウナタイマーの謎(20160928メルマガより)  日本には耐熱サウナタイマーを製造する会社が3社ありまして、浴場市場ではいずれの製品も取り扱っています。 そのうちの1社の社長様とゆっくりお話しする機会を得て、前から気にな...

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最近のメルマガから

今年1月にスタートした日刊メルマガが気づけば100号突破。毎日お付き合いいただいている購読者様には感謝申し上げます。 100号突破を記念して、最近の記事をいくつかご紹介させていただきます。 ───────────── 【日刊アク...

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東日本大震災から5年が経ちました

日┃刊┃ア┃ク┃ト┃パ┃ス┃NEWS┃ ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━━┛ 有料メルマガ「日刊アクトパスNEWS」会員の皆様 今日は 2016年3月11日です。 東日本大震災から5年が経ちます。 今日はニュースやfac...

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配管洗浄について

 公衆浴場の濾過循環設備は、その運用方法によって年1回〜4回の水質検査、年1回以上の配管洗浄(生物膜除去)が必要とされています。 義務だからということではなく、安全安心な浴場環境を提供するために当然やらなければならないことなのですが、この...

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水素ブーム

 いま、水素水が静かなブームとなっています。 思えば今から15年くらい前、故舩井 幸雄会長が講演で「長寿で知られるパキスタンの村では、酸化還元電位の低い水を常飲していた」といったことを話しており、それに興奮して高価なORPメーター(酸化還...

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冬こそ外気浴

今日は 2016年1月30日です。 今日は全国的に雲が多く、関東以北では冷え込みも厳しいようです。 こんな季節にこそ、大いにアピールして欲しいことがあります。 それは「外気浴」です。 ◆冬こそ外気浴  露天風呂で長湯をしてものぼせない...

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【日刊アクトパスNEWS】 第2号 2016年1月27日

今日は 2016年1月27日です。 昨日に続き、第2号です。今日はスマホからの配信にチャレンジです。 これが成功すると、移動中でも食事中でもメールニュースを配信することができるようになります! IT技術の進歩に支えられています。(笑)...

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有料メールマガジンをはじめました。

「日刊アクトパスNEWS」では、私どもが温浴業界で活動する中で知った最新の情報や、一般に公開しにくい情報を、会員様限定で優先的にお知らせするものです。 内容は温浴に関連するあらゆる分野におよびますが、公開しているブログやFacebookと...

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温浴の未来を語ろう!

  最近、全国でもトップクラスの繁盛店である温浴施設の経営者が、最低賃金水準の動向を気にされていることを知り、分かっているつもりでしたが、ちょっとショックを受けました。   業績不振で苦戦している施設ならともかく、有数の繁盛店...

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2016年、温浴業界はどうなる?

 2年前の年の瀬が押し迫った時期に「2014年、温浴業界はどうなる?」という記事を書きました。   1年前の年末はあまり希望的観測をかけるようなネタがなくて、筆が進みませんでした。   今年は久しぶりに来年の予測...

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時々の初心忘るべからず

 2006年4月、アクトパス創業時の志は、温浴ビジネスのコンサルティングにとどまらない総合プロデュースを目指すことでした。   当時コンサルタントとして多くの温浴施設で仕事をさせていただき、情報提供やアドバイスだけで確実に成果...

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すべては健康と長寿のために(4)

 『あらゆる運営努力は、ひとりでも多くのサウナファンを育てることにつながっている』と考えると、いままで曖昧だった仕事の目的がはっきりしてきますし、まだできることがたくさんあることに気づきます。    例えば、昨今注目...

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日々の営業数値から分かること

 温浴施設において、日々の営業の結果は営業日報、月報といった形でまとめられ、過去からの推移を比較したり、運営努力の成果を確認したりすることに活用されているかと思います。   コンサルタントとして現場にお邪魔する時は、損益計...

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すべては健康と長寿のために(3)

Iki

 前回、「ほとんどの人はサウナや水風呂に対して食わず嫌い」
「温浴の良さを体感するコツは、自分が思う『熱くてもうこれ以上サウナに入っているのは無理』という限界を少しだけ超えること」と書きました。
 
このことを、具体的にはどうすれば分かってもらえるのでしょうか?
 
にまとめましたが、
①水分補給
②高温ドライサウナよりも中温サウナを選ぶ
③先に湯で下半身を余熱
④座る場所と時間で調節
⑤充分な加温とその後の冷却が大切
⑥慣れてくるまではマイルドに
⑦サウナと水風呂の後の休憩タイムが醍醐味
というような知識があると、一層効果的かつ安全に温浴の素晴らしさを感じることができるでしょう。
 
しかし、これまでたくさんの人にサウナ入浴法を伝授してきた経験から言うと、上記のような情報を伝えて理解してもらうのは簡単なことではありません。
 
一緒に入浴してマンツーマンでレクチャーすることでようやく伝えることができても、ブログに書いたり貼り紙をしたくらいではなかなか伝わらないし、拡散していくのも難しいようです。
 
だからこそ、温浴施設は様々な工夫をしてお客様を集め、サウナファンに育てていくことが大切な使命なのだと思っています。
 
 温浴施設にもさまざまな業態があり、その強みやコンセプトもそれぞれです。
 
しかし、集客して良いサービスを提供し、また繰り返し来店してもらいたい。その目的は一緒だと思います。
 
そのためにどうしたら良いのかを考えた時に、ほとんどの温浴施設に共通するのが、サウナファンを育てるということなのです。
 
泉質や眺望が自慢であるとか、素晴らしい料理が作れるとか、イベントの企画運営が得意であるとか、そういった強い経営資源を持っているのであれば大いに活かしたら良いと思いますが、どのような温浴施設でもそれを高いレベルで実現できるとは限りません。
 
それに比べると、『あらゆる運営努力は、ひとりでも多くのサウナファンを育てることにつながっている』と考えると、いままで曖昧だった仕事の目的がはっきりしてきますし、まだできることがたくさんあることに気づくと思うのです。
 
 
(つづく)
 
 

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  株式会社アクトパス 代表取締役 望月 義尚
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すべては健康と長寿のために(2)

前回の話は、簡単にまとめますと、 ───── 国民の4%ではなく、もっとサウナ利用を習慣にする人が増えれば、健康寿命がさらに延び、高齢化社会を支えていつまでも現役で活躍できる人が増えるでしょうし、膨れ上がる一方の医療費も大...

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すべては健康と長寿のために(1)

 習慣的に温浴施設を利用している人は日本人の約2割。そのうちサウナ好きな人がまた2割。つまり日本人の約4%がサウナファンである、という試算を見たことがありますが、感覚的にもそれは実態に近いんだろうと思います。   温浴...

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時流適応って何でしょう?

「これからの温浴業界はどうなるんでしょうか?」と聞かれることが少なくありません。   当ブログでも将来予測的な文章を何度か書いていますが、弊社には温浴ビジネスに関する様々な情報が日々集まってきていて、その中には時流の変...

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全量入れ替え方式の入浴体験

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温泉の純化(5)

以前、この温泉の純化シリーズで、 「源泉はひとつひとつが異なる個性を持ってますから、湧出地の周辺環境も含めて、単純な判断基準で優劣を決めることはでませんし、同じ扱い(施設計画や設備設計)をできるはずがありません。その温泉がもっとも良い状態...

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温浴施設の設計とコンサルティング

 先日、ある設計の先生と話をしていて、『平面図ができれば、設計の8割はできたようなもの』という話題になった。 先生いわく、「ただし、予算や工期、工法の裏付けがあっての平面図で、それがなければ単なる企画図でしかない。プロの設計とはそういうも...

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業態進化と精算方式

業態の進化には、モータリゼーションなどの社会的な構造変化だけでなく、技術革新が深く関わっています。 スーパーマーケット業態が普及した背景には、レジスターの存在がありました。セルフサービスで商品大量購入という画期的な買い物スタイルの革新...

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高齢化と温浴

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夏と温浴

もうすぐ夏。 「熱中症」という言葉を耳にする機会もだんだん増えてきています。   昔は熱中症という言葉はなくて、暑気あたりとか日射病と言われていましたが、この20年くらいの間に熱中症という言い方が定着したようです。...

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入れ墨・タトゥー問題

 外国人旅行者の増加によって、入れ墨客の入浴問題がクローズアップされています。 自分も現場にいた時は、内心ビビりまくりながら怖そうな入れ墨客と話し合ったことが何度もありました。 逆に一見普通の人や身なりの良いお金持ち風の人がと...

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長期トレンドと温浴業界

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今の企業体質をつくったのはトップ自身です。

 以前、ある温浴施設の女性ロッカー室の化粧コーナーに、化粧水を顔に噴霧できるという機械をお試しキャンペーンで設置したことがありました。   このキャンペーンはお客様には大好評でしたが、ひとつだけ問題がありました...

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第9期決算日

 本日、株式会社アクトパスは第9期の決算日を迎えました。 山あり谷あり、本当に勉強になることが多い日々ですが、とりあえず元気で楽しくやっております。 来期はいよいよ第10期。ひとつの節目に向かって、さらに邁進してまいりたいと思い...

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【朗報】サウナ初心者・水風呂が苦手な人必見!~誰もがサウナ(温活)を楽しむための7つのコツ~

サウナと言えばフィンランドサウナが有名ですが、世界各地には様々な伝統的サウナ文化があり、日本でも古くから蒸し風呂などが親しまれてきました。 サウナは単に身体を温めたり発汗するだけでなく、習慣的に利用することによって素晴らしい美容・健...

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廃業施設を見て思う

先日、昨年閉館して売却希望となっている温泉施設の現地視察をしてきました。   過去、運営会社が3度変わって、ついに事業存続ができなくなったとのこと。   電気が止められた暗い施設の中を懐中電灯の灯...

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成果こそ最善の良薬

 以前のブログで、「最大限に環境を活かし、強みを発揮する方法を徹底的に突き詰めます。すると、ひとつのポジティブな概念に行きつく。それがコンセプト」という一文を書きました。   言うまでもなく『環境を活かす』ことと、『強み...

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ピンチに陥った時

 経営をしている以上、想定外の事故や損失、大クレーム…組織にとって不幸で苦痛な状況というのは必ずやってくるものです。  それを完全に避けて通ることはできません。   そのような事態に遭遇した時に、組織のトップは...

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では、どうやって副作用を起こさずにコストを抑制するのか?

先日、ある会計士の先生と一緒に打ち合わせする機会があり、そこで興味深いお話しを聞きました。   『利益を生み出すためには3つのパターンがある。 1.売上を上げ、経費を落とし、利益を上げる。 2.売上を上げ、経費を変えずに...

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儲かる温浴ビジネスに!

運営レベルを上げたいけど、よい人材が定着しない…。 満足度を上げたいけど、水道光熱費負担が大きいから…。 もっと集客したいけど、宣伝の費用対効果が…。 老朽化が進んできたし、そろそろリニューアルしなければ…。 こうい...

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塩素とたたかう(2)

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 風呂屋の現場では、高濃度な塩素の液体や錠剤を使うため、取り扱いに厳重注意が必要です。
 
濃度の高い塩素液が間違って衣服に付けばあっと言う間に脱色されてしまいますし、手荒れやガスを吸い込んで呼吸器に異常をきたすことなども日常茶飯事です。
 
お客様から苦情を言われるまでもなく、塩素が人体に害を及ぼす危険な薬品であることはイヤと言うほど分かっているのです。
 
浴槽では塩素は希釈された状態になっていますが、薄いからといって無害とはいえませんし、感覚的にも不快であることは論を待ちません。
 
 考えて見ると、かつての日本では当然のように水道水をそのまま飲用していましたが、今はペットボトルのミネラルウォーターや浄水器を通した水を飲むのが普通になっています。
 
水にも美味しさを追求するゆとりが生まれたのか、塩素の弊害に関する情報が広まり健康志向からそうするようになったのか、いずれにしても水に対する意識は30年前とは大きな違いがあるようです。
 
前述のファミレスでさえ、今や浄水器はもちろんのこと、産地や生産方法、安全性をアピールした食材やメニューを取り入れたり、健康志向の高まりに対応するべく企業努力を重ねています。
 
そんな時代に、温泉愛好家の方々が秘湯や源泉かけ流しを称賛し塩素注入濾過循環を否定するのを、果たしてマニアックで特殊な世界と片付けて良いのでしょうか。
 
私は、温泉愛好家が向かう方向と同じようにこれからの消費者意識全体も、より自然志向であったり塩素の弊害を嫌う方向に向かっていくように思えてならないのです。
 
塩素注入は法律だから、安全衛生のためだから仕方ない…。と諦めてしまうのはまだ早いのかも知れません。
 
 私どもでは「単純塩素泉のセンター系施設」から脱却するために、いくつかの方向性があると考えています。
 
1.塩素と無関係な世界で勝負する
 浴槽ではなく、浴場の環境全体やサウナ・岩盤浴などのお湯を使わない設備を充実させたり、さらに飲食やマッサージといった浴場以外の分野で集客し、事業を成立させることも経営戦略としては有り得るでしょう。
 
2.塩素以外の方法による浴槽水の殺菌消毒
 塩素(次亜塩素酸)以外にも、二酸化塩素・オゾン・紫外線・銀イオン・銅イオン等々様々な代替殺菌方法が開発されています。これまでコストや確実性などから普及が進んでいませんでしたが、時代の変化と共にこれらの方法もあらためて見直してみる時期なのかも知れません。
 
3.結合塩素の発生を抑える
 塩素を注入しても、汚染された水に存在するアンモニア等と反応すると結合塩素となり、遊離塩素は減少してしまうのでさらに塩素を注入することになります。そして、強いカルキ臭をはじめとして塩素の弊害をもたらすのは主に結合塩素の仕業なのです。「塩素くさい」と感じる施設は、単に塩素濃度が濃いというよりも、水質が悪くて結合塩素が多く発生している施設である可能性があるのです。したがって浴槽周りをできるだけ清潔な状態に保ち、浴槽水を汚さないように努力することで結合塩素の発生が抑えられ、塩素注入量も減らすことができるのです。
 
4.塩素濃度に縛られない温泉の提供方法
 濾過循環浴槽は遊離残留塩素濃度を0.2~0.4ppmに保つことが法律で定められていますが、源泉かけ流しであれば基本的には塩素を投入しないでも浴槽水の衛生管理ができます(保健所によっては源泉かけ流しでも塩素注入を求められるケースもありますが…)。また温泉の提供方法は浴槽とは限らず、飲泉・シャワー・スチーム・化粧品等、様々な形で天然温泉の恵みを享受する工夫が生まれています。
 
5.塩素の弊害を技術的に緩和・克服する
 塩素の弊害を緩和・克服する方法は、科学的にまだうまく説明できない技術も含めて次々に登場しています。良い結果が出るならそれに越したことはないのですから、一概に『非科学的・トンデモ系』と拒絶せず、これらの新技術とも積極的に向き合ってみることがこれから大切だと思っています。
 
施設によっておかれている環境も設備もそれぞれですが、諦めずにこれらの方向性を丹念に追求していくと、現状よりも良い状態にできる余地はまだ多く残されているのではないでしょうか。
 
セミナーでは、上記の方向性を実現する方法についても具体的にお伝えしていく予定です。どうぞご期待ください。

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塩素とたたかう(1)

単純塩素泉』あるいは『センター系』という言葉をご存じでしょうか?
 
単純塩素泉というのは、単純泉(単純温泉)という温泉法上の分類用語をもじって使われているもので、「塩素以外に特徴が感じられないお湯」のことです。
 
センター系というのは、温泉に塩素を投入して濾過循環している温浴施設全般を指す言葉で、歴史的にいわゆるヘルスセンター、健康センターと呼ばれた大型温浴施設の登場(1950年代)から濾過循環設備を持って毎日換水を行わないタイプの温浴施設が普及したことに由来します。
 
いずれも塩素投入と濾過循環によって天然温泉が持つ本来の良さが失われていることを暗に批判しており、そういった『湯づかいがダメ』なタイプの温浴施設に対する蔑称とも言えるでしょう。
 
いずれも秘湯や源泉かけ流しが好きな温泉愛好家の方々が使う言葉なのですが、私がはじめてこれらの言葉を耳にした時は、正直に言うとムッとしました。
 
塩素投入や濾過循環自体は、悪意を持ってやっているわけでも行き過ぎた儲け主義でもありません。公衆浴場である以上は浴槽水を一定の塩素濃度に保つことが法によって定められており、もしそれを怠ればレジオネラ菌による重大事故を引き起こす恐れがあるのですから、法律上と安全衛生上の義務なのです。
 
実際、温浴施設の現場ではお客様から「塩素が臭くて不快だ」「塩素のせいで体調が悪くなった」とクレームを言われることが少なくありませんから、もしも入れずに済むものなら誰も塩素なんて入れたいとは思っていません。残念に思いつつも、遵法と安全衛生管理のために仕方なくやっていることなのです。
 
個人的に秘湯を求めて旅することが好きであったり体質的に塩素過敏症であったり、それぞれの事情で温泉施設を取捨選択するのは当然のことだと思います。
 
しかし、社会的に発言力を持った人たちから公然と『単純塩素泉』『センター系』と蔑まれては、真面目に風呂屋をやっている側としては立つ瀬がありません。
 
例えば、ファミレスなどの外食産業で提供するメニューの多くが加工食品であり、現場の厨房で素材をイチから調理することはできません。その代りに、多彩なメニューを安定的な品質で、お手頃価格で提供しているのです。
 
それをつかまえて『工場で作った加工食品なんてニセモノ。職人の魂がこもっていないし、いろいろな添加物も入っている。そんなもの食べるべきじゃない。』と批判する人はあまりいないと思います。
 
食べ物にこだわるのなら、それなりの料金を払って一流店に行くなり、自分で良い素材を入手して調理するなりといった手段があるわけで、ファミレスに本物のこだわりを求めるのはお門違いと言うものです。
 
以前の私なら、「コアな温泉マニアはマーケット全体から見ればごくわずかであり、マーケット全体の意見ではありませんから、あまり気にしないようにしましょう。」といって片付けていた話かも知れません。
 
しかし、時代は移り変わるのです。
 
(つづく)

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原理と原則

 原理とは、事物・事象が依拠する根本的な理。原則とは、多くの場合に共通に適用される基本的な法則。   最近このことを考えさせられています。   かつて、私のコンサルティングアドバイスの中心にあったのは「一番化戦...

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冬の備えと円安の備え

 そろそろ本格的な冬の到来を感じさせる季節になってきました。   冬といえば、温浴施設にとっては何かと気ぜわしい季節です。   燃料費や電気代の増加、凍結や大雪、ノロウイルスやインフルエンザの流行、湯あたり...

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断食と資金繰り難

    最近、断食(ファスティング)に関心を持っていて、自分でもいろいろと実践してみています。       簡単に言うと、       ───現代人は「一日三食」とか「一日に必要なカロリー」といった考え方に囚われて、本来の必要量よ...

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コンセプト(concept)

 最近、ご支援先で「コンセプト」が議題になることが増えています。   コンセプト(concept)という外来語は、辞書を引けば「概念」という意味ですが、日本語でコンセプトという言葉を使う時は、「全体を貫く基本的な概念」を...

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温泉の純化(4)

■ふたたび、温泉とは何なのか?    このシリーズで私が温泉の成分からpH、酸化還元電位などの指標や源泉かけ流しにまで疑問を投げかけているかのような文章を書いたことで「望月さんは温泉好きじゃなかったの?」と違和感を感じた方もい...

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