まだまだ青いのぅ、オレ…
進行中のソウル市内某高層ビル温浴施設開発計画のプロジェクト会議だったのですが、今回は一般消費者を対象に実施したアンケート調査結果の検討会。
この調査によって、韓国の消費者心理や温浴施設の利用実態をつかむことができ、大変有意義なものでした。
すでに韓国の温浴施設はかなり視察していますので、だいたい利用実態は理解しているつもりなのですが、明確な数字で把握し、統計的な分析を加えると一層理解が深まります。
今回の調査データから、韓国では「温浴施設には家族と行く」と回答した人が非常に多いということが判明。
この点についてクライアントから
「子供客への対応はどうするのか。キッズコーナー等が必要ではないのか?」
という質問がありました。
私が、
「子供客対応を強化してファミリーの集客を図るか、大人のための温浴施設に徹することで高級感のある癒しの施設とするか、というふたつの考え方があり、ターゲット戦略によって…」
と答えようと考えていたところ、先に設計の海老沢先生が、
「温泉は大人のお風呂の入り方を子供が学ぶところ、公共の場での振る舞いを教えるところなので、とりたてて子供のための場所をつくる必要はないんです。」
と答えました。
これを聞いて、ハッと気づきました。
言われてみれば、ウチの娘(もうすぐ4歳)を外食に連れていくと、普通の飲食店では大人しく食事するのに、ファミリーレストランに行くと落ち着かずに席を立ったり、走り回ったりして手を焼かせるのです。
入口にガチャガチャがあったり、子供のためのおもちゃや絵本が置いてあったり、売店コーナーにお菓子や文具玩具が売られていることで、どうしても「遊びモード」のスイッチが入ってしまうのでしょう。
「子供が叫び、走り回る店」になってしまうと、いくら店のグレードを高めようとしても限界があります。
大人向けのサービス、子供向けのサービス、と分けて考えるのではなくて、親と子がコミュニケーションをとる場と考えれば、キッズ専用のコーナーはいらなくなるのですね。(これはディズニーの“ファミリー・エンターテイメント”にも通じる考え方です。)
まだまだ青いのぅ、オレ…またひとつ、勉強になりました!
【関連記事】
・ファミリー・エンターテイメント 20070611
・日本の温浴文化を世界に! 20070216
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コメント
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はじめまして。
私は、大阪でリラクゼーション受託をしております。
スーパー銭湯・温泉施設・公衆浴場などで、お仕事をさせて頂いた経験がございます。
どちらが良くて、どちらが悪いとかは無いですが、高級感のある温浴施設と公衆浴場の違いに似ている気がします。
公衆浴場は子供だけでも入れると言う事と、子供が喜ぶサービスもありますからね。
本当、考えさせられるところですね。
投稿: 休息館 | 2008年7月21日 (月) 13:55