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「かんぽの宿」問題について、ひとこと言わせてもらいたい。

 先におことわりしておきますが、今話題の「かんぽの宿一括売却問題」について、私はコトの具体的な背景は知りませんし、そもそも政治的なことは専門外です。

ただ、温浴ビジネスに携わるものとして、少々疑問を感じたので、それを率直に言いたくなっただけです。

 先日の日曜日に何気なくテレビをつけると、サンデープロジェクトという番組で、竹中平蔵元総務相も出演して、「かんぽの宿一括売却問題」が取り上げられていました。

毎年50億円の赤字をたれ流す不良債権70施設(資産総額93億円)を、一括109億円で売却。」…この是非が問題となっているわけですが、そもそもかんぽの宿は本当に「赤字の不良債権」なんでしょうか?

かんぽの宿に限ったことではないですが、こういった公的な施設は、かなり立派な建物・設備でありながら、公共サービスとして安い料金で利用できるようになっています。それが一般庶民の楽しみや健康増進ためなのであれば、民間の経営感覚ではありえないような価格設定で提供することも、ひとつの役割なのかも知れません。

つまり、元々きちんと黒字を出そうという運営をしていないのです。もし運営ノウハウを持った民間企業が、公共温泉や公共宿泊施設を完全に収益目的で運営したら、簡単に黒字化できるであろう施設がたくさんあるのです。

しかし公的存在であるがゆえに、価格設定だけでなく運営にも様々な制約があって利益追求に走ることもできず、一方で厳しい赤字の批判を受ける。日本はこの矛盾に思い悩む公共施設だらけなのです。

「毎年50億円の赤字」というのは、今まで公共施設だったのだから当然のことで、もし収益を求めるなら、やりようによっては黒字化できるところも多いのではないでしょうか?その議論をすっとばして「不良債権だから売却」というのは、ヘンですよね。

 それに、70施設ものかんぽの宿が、資産総額93億円とか、売却価格109億円というのもありえない話です。旧郵政省は、この70施設の土地と建物の取得するために、いったいいくらかけたのでしょうか?この数字がまだ公に議論されていないようですが、桁がひとつ違っているような気がします。

公共施設の建築というのは、民間と違って非常に立派な仕様で設計されますし、民間工事のようにむやみに価格を叩いたりしませんから、坪あたり工事単価でいうと民間施設の1.5倍くらいになります。かんぽの宿はどこも大きくて立派な建物ですから、109億円÷70施設=1施設平均1.5億円なんてことは到底ありえません。

入札にあたって、本当にきちんとデューデリジェンスが行われたのかも疑問です。70軒の宿泊施設のデューデリなんて、大手シンクタンクでも短期間でできるような仕事ではないですから。そもそも一括売却しなければならない理由は何なのでしょう?

 もともと収益を目的とせずに公的サービスのためにつくられたものなら、赤字を理由に売却すること自体理屈に合いません。もし赤字を理由にするなら、巨額の公的資金を投入してそんなものをつくった責任はどうなる、という議論になるのがスジというものです。

せっかく国民のために大金を投じてつくったんだから、つくってしまった以上は大切にして欲しいし、国民のために提供し続けて欲しいものです。それができないなら、つくった責任者出てこい!と言われても仕方ないのではないでしょうか。

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この文章にはオチがありませんが、政治的な話に踏み込んでも専門外になってしまうのでお許しください。この問題が人々の健康と幸福にプラスになるような方向に向かって解決していくことを願っております。

 …と、こんなことを書いていたら、その昔「公共温浴施設の活性化」について「月刊レジャー産業」誌に寄稿したことがあるのを思い出しました。ハードディスクを探したら原稿が残っていたので、日付を見たら2001年でした。

8年も前ですので、言っていることが少々古く、稚拙なところもありますが、自分の基本的な考え方は昔も今もあまり変わっていないようです。

・参考までに→ 「公共温浴施設活性化への提案 200101.pdf」をダウンロード

 

【20090129追記】
 その後、土地+建物の取得費用は2400億円だったとの報道。

ひと桁違うと書きましたが、やはり、というか予想以上に費用がかかっていました。それだけ立派な国民の資産が、どうして109億円で売られなければならないことになったのか、いち国民としても気になるところです。

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