塩のエンターテイメント(ドイツ視察4日目の続き)
前の記事で「今回の視察の中で最大のビックリ体験」と書きましたが、ある特定のテーマに深く特化することは、それだけで面白い!ということをあらためて感じます。
話はそれますが、その昔ラスベガスにあるThe Forum Shopsという有名なショッピングセンターのテナントで、冷蔵庫に貼るマグネットばかりを集めた店を見たことがあります。The Forum ShopsはエンターテイメントをテーマにしたSCで、本当にそこにいるだけで楽しめるのですが、楽しませる手法のひとつとして、「単品突破」があるのです。
ドイツとオーストリアの国境に近いベルヒテスガーデンという町にあるSalzZeitReiseは、岩塩の採掘をする鉱山につくられたまさに「塩の単品突破」テーマパークでした。
最初に、エントランス近くにあった休憩所。何やら黒い岩の周辺に人が集まっています。近づいてみると、岩と思ったのは大きな黒い塩の塊りです。当日は小雨が降っていたのでその湿気を吸って表面が濡れており、指にとって舐めてみると本当に塩でした。
日本でもよく真夏に店頭に氷柱を飾って客寄せをしますが、それと似た発想でしょうか。
来場客でごった返す入口で入場料を払い、順番を待ってゲートを通過すると、まず全員に宇宙服のようなツナギを貸し出します。
そして定刻になって開いた扉の先には、坑道を移動するためのトロッコが待っています。
トロッコに座ると、小型のラジオのようなものを渡されます。同行するキャスト(?)はドイツ語で説明するので、ドイツ語の分からない外国人用に、無線機で各国語が放送されるのです。日本語チャンネルもあって、ホッとしました。
1517年から、つまり500年も昔から現在に至るまで採掘が続けられているアリの巣のような坑道の総延長は(記憶によれば)23kmと言っていました。その採掘跡の一部が観光用に公開されているのです。
途中、高低差の大きいところを降りる時は木製の滑り台を使います。かなりのスピードが出て怖いし、すごい摩擦があります。これが全員にツナギを着せる理由でした。
坑道跡だけでなく、いろいろな設備などについても解説してくれます。
最大のハイライトは、地底湖。正確には地底湖ではないのですが、塩をとりだすために、地下に水を注入し、岩塩が溶け出した高濃度の塩水になったところで汲み上げるという方法があります。汲み上げた塩水は隣町のバードライヒェンハルの製塩所にパイプで送られるそうです。
この作業を何年も続けていると、次第に岩塩が溶け出した分が巨大な空洞となるのです。私が見たその地下の空間と塩水の湖は、体育館の何倍もある大きなものでした。
興奮とスペクタクルの坑道探検を終えてツナギを返却すると、塩のミュージアムショップがありました。ここも塩の単品突破ショップですから楽しくて、土産をたくさん買ってしまいました。
日本ではこのようにして岩塩の採掘をしているところはありませんが、いろいろな鉱山や炭鉱、珪藻土の採掘などで、地底探検ができるようなところはたくさんあります。いずれそういうところに手を入れて観光施設として再び人気を集めることもできるかも知れません。
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