震災の体験がもたらすもの
3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、東北地方をはじめ、各地に大きな被害をもたらしています。震災に合われた方々、ご家族の皆さまには、心よりお見舞いを申し上げます。
これから被害が拡大していく可能性もあり、今回の震災がもたらす影響を見極めることはまだ難しいですが、現時点で、「日本人の精神性は大きく方向転換するだろう」ということを感じずにはおれません。
震災から2日後、『今値上げしないのはバカ』と被災者の足元をみる商売を自慢げに語った経営者のブログが大炎上しました。拝金主義的な価値観はもう通用しなくなったのです。
直接の被災地でなくとも、日本人の多くが危機や不幸に直面しています。これから先にも様々な困難や不幸が待っているかも知れません。そのような状況のもと、人間性が感じられない商法が受け入れられないのはもちろんのこと、今後は浮ついた消費マーケットにも厳しい逆風が吹くのではないかと想像しています。
もはや贅沢をしたり遊んだりしている場合ではないし、そんなことをするお金や時間があるなら、被災地の支援でもしたらどう?と思う機運が高まるのではないでしょうか。
誰でも息抜きや休息が必要な時はありますが、それは必要最低限にあればいい、ということになっていく気がします。
ということは、温浴施設の存在意義は、生活衛生、休息、健康増進といった基本機能に再び収束し、贅沢な時間や、癒し、美容といった消費をつかまえるのは難しくなってくるのではないかと思うのです。
それは、大商圏・高単価・長時間滞留型の施設よりも、小商圏・低単価・短時間利用の施設が支持される傾向が強まるということになるのかも知れません。
もうひとつはエネルギー問題です。原発の怖さをまざまざと見せつけられる一方で、停電になるとどれほど生活に困るか。そこまで原発の電力に依存してしまった今の社会はいったい…ということに意識が向くのではないかと思います。
いま若干パニック状態になっているガソリンや重油の不足にも、同様の影響が考えられます。そうなると、今後は節約、省エネ、環境といったことへの意識がより高まるのではないでしょうか。
今までのように地球温暖化といったちょっと遠い世界の話ではなく、今回は自分の恐怖体験として心に刻み込まれたので、非常に強い流れになることが予想されます。
ここでも、エネルギーを大量に消費する贅沢なビジネスは、厳しい逆風にさらされる可能性があるのではないかと考えられます。
まだまだ危機は続いていますし、今後どうなっていくのかを見極めることは難しいのですが、以上のようなことを考えただけでも、温浴業界は大きな方向転換をせざるを得ないのではないかと感じています。
と、書くとこれから大変なことになるのでは…とご心配される方もいらっしゃるかと思いますが、私はそうは考えていません。大きな変化に直面するのは温浴業界だけではありません。世の中全体の価値観の中心が、「経済」から「愛」へと変わる時が来たのではないか、そう思っています。
経済的な価値をいくら追求したとしても、それは大自然があっという間に流し去ってしまうほどはかないものでしかありません。本当に大切なのは命、そして愛や人とのつながりであったということに気づき、日本がそして世界が変わっていくのであれば、たとえ一時的な困難はあっても、マクロには善い方向への変化だと思うのです。
震災で亡くなられた方々、被災された方々の犠牲を無駄にしないためにも、いま自分たちにできることは何か、それだけを考えています。
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株式会社アクトパス 代表取締役 望月 義尚
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