断食と資金繰り難
簡単に言うと、
───現代人は「一日三食」とか「一日に必要なカロリー」といった考え方に囚われて、本来の必要量よりも食べ過ぎている。食べ過ぎることによって様々な健康上の弊害が起きている。断食したり小食にすれば生命力にスイッチが入る。空腹感(飢餓感)は、身体にとっては一種の危機状態であり、身体の生命維持システムが一斉に作動する。免疫力や自然治癒力、排毒力にスイッチが入り、全身の新陳代謝が加速される。こうして全身が細胞レベルでクリーンアップされ、全身の生命機能はみずみずしくよみがえる───
といったことです。
実際に自分で断食をしてみたところ、何日間もほとんど食べなくても不健康どころか、運動もできるし頭も冴えるということを体験しました。もちろん体重も減って快適です。
断食を体験して、ふと「断食で人間の身体に起きることは、お金がない状態の企業に起きることと共通しているのではないか?」と気付いたのです。
資金繰りに窮すると、どうしたらそのピンチを脱出できるのかを必死で考え、働くようになります。
無駄な支出は徹底的に見直されます。
入金のありがたさが身にしみます。
困った時に助けてくれる人と、去って行く人が分かります。
会社の中で弱い部分や必要のない部分があぶり出され、それらが会社から排除されていくと同時に、会社が存続する上で本当に大切なことが明確になるのです。
今まで経営コンサルタントとして、あるいは一経営者として、「資金的な余裕がないと、お金をかけるべきこと、お金をかけるべきタイミングであっても適切に支出できなくなる。あるいは強引に目先の金を作ろうとする。それは単なる資金繰り的判断であり、最善な経営判断ではない。」と考えてきました。
どうやらその考え方は間違っていたのではないかと思い始めています。
時として、資金繰り的な判断が営業的な判断を遮ることがあり、それが企業成長を妨げているように見えることがあります。
しかし、仮にそこでお金があって、例えばベストタイミングで効果的に広告宣伝をすることで売上が伸び、利益が増える。そのことが会社にとって本当に良いことなのかどうか、それは分かりません。
かえって油断が生まれたり、甘い経営体質につながってしまい、それがやがて致命的な経営危機につながることもあるのかも知れません。
それは、いつも美味しいものをお腹一杯食べていて、肥満につながり、やがて致命的な病気になっていくことに似ているような気がします。
投資したいけどお金がないからできない、広告打ちたいけどできない、そういう我慢が創意工夫を生んだり、人材を鍛えたりすることもあるはずなのです。
いままでコンサルタントとしてお付き合いしてきた数々のクライアント企業を振りかえってみても、オーナーが大資産家であったり、親会社が大企業、あるいは親方日の丸といった温浴施設が運営レベルを上げられず業績不振に陥っているケースは少なからず見受けられましたし、逆にいつも資金難でピーピーしているところが、現場で素晴らしい創意工夫をしていたり、高い顧客満足度を実現しているということが現実にあるのです。
開業以来ずっと順風満帆の繁盛店という場合はコンサルタントをあまり必要としないので当然のことなのかも知れませんが、私がお付き合いしてきた繁盛店は、とんでもないピンチをくぐり抜けてきた不屈の企業が多いようです。
栄養失調で倒れたり餓死してしまっては元も子もありませんが、少々の資金繰り難や経営危機はあまり悪いことであると考えず、「ただいま鍛えられ、成長しています!」と受け止めて前向きに努力する。それが本当に強い企業になるためのひとつのプロセスと言えるのではないでしょうか。
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株式会社アクトパス 代表取締役 望月 義尚
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