先日、昨年閉館して売却希望となっている温泉施設の現地視察をしてきました。
過去、運営会社が3度変わって、ついに事業存続ができなくなったとのこと。
電気が止められた暗い施設の中を懐中電灯の灯りを頼りに歩きながら、「何故つぶれてしまったのか?これから再生できる可能性はあるのか?』を考えます。
過去、閉店から年数が経って本当にボロボロの廃墟になってしまった施設の再生をお手伝いしたこともありました。
今回の施設はまだ開業から15年、閉店して1年くらいですので、施設の老朽化もそこまで進んでいなかったのですが、再生できるかどうかは、閉館に至った原因が何で、その問題を解決できるかどうかにかかっています。
管理会社の人に過去の経緯などをいくつか質問をするうちに、経営上重大な問題点を抱えていることが分かってきました。
最終的な事業性判断は、過去の営業状態や施設の状態を精密に調査分析し、再生可能かどうかを慎重に検討しなければなりませんが、おそらくその問題点が解決できるかどうかが事業再生の鍵を握っているものと思われます。
今回のケースでは、その問題点のひとつは水道光熱費でした。その施設には井戸水がなく、水源は天然温泉と上水道に頼っていたのです。そして排水にはすべて下水道料金がかかっています。
特に低料金で大量集客することが前提となっているスーパー銭湯業態の場合、水道光熱費が高い構造は致命的です。入浴部門の不採算を付帯部門でカバーしようにも、スーパー銭湯の付帯収入はそれほど多くありませんので、全体として利益を出すのが難しい経営構造に陥ってしまうのです。
これは新規開業時点での見込みが甘かったか、問題解決のノウハウが不足していたということであり、おそらく開業以来ずっと不採算だったのでしょう。
起死回生を狙って後付けで作ったと思われる岩盤浴コーナーなどもありましたが、休憩ゾーンの面積を圧迫するなど、かえってバランスを崩してしまった可能性もあります。
廃業に至った問題点は他にもいろいろあったかと思いますが、それぞれの問題の重大性や、それを運営努力でカバーできるのか抜本的な設備改修が必要となるのかなど、適切なジャッジがなされないまま続けてきたのでしょう。そう考えると15年という歴史は長い苦戦の連続だったのかも知れません。
不採算施設になってしまうと、オーナーも現場スタッフも取引先もお客様も、誰もが幸せになれません。
日本中から不採算施設がなくなり、それぞれの温浴施設を中心に幸せの連鎖が広がる、そんなことを願っています。
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今回も最後まで読んでいただいて、有難うございました。
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