夏と温浴
もうすぐ夏。
「熱中症」という言葉を耳にする機会もだんだん増えてきています。

昔は熱中症という言葉はなくて、暑気あたりとか日射病と言われていましたが、この20年くらいの間に熱中症という言い方が定着したようです。
最近は真夏ともなるとTV番組等では熱中症対策で外出を控えさせるような呼びかけが増えるため、温浴施設としてはあまり歓迎できない風潮になっています。
以前はここまで大騒ぎするほど深刻な問題ではなかったように思うのですが、実際に熱中症で救急搬送されたり、死亡するケースは増えているのでしょうか?
統計データを調べてみると、確かに増えているようです。しかし一体何故増えているのでしょうか?
①温暖化やヒートアイランド現象により、真夏の気温が上昇している
②高齢化で猛暑に耐えられない高齢者が増えている
③現代人が猛暑に耐えられない体質になっている
といったことなのではないかと推測しています。
①の気温そのものが上昇していることはなかなか難しい問題ですが、②③に対しては個人あるいは温浴施設としていろいろな対策が考えられます。
夏に限ったことではないのですが、現代人は冷暖房完備、洋服も機能的になって、一年中快適な生活を送れるようになっています。その半面、寒暖の差などの環境変化に弱い体質になってきているようです。
■夏の温浴施設の役割とは
この問題に対して、温浴施設は重要な役割を担うことができます。
例えばこの季節で言うと、「夏を乗り切る身体づくり」です。
熱中症というのは高温環境にさらされ続けることで水分や塩分を失い過ぎたり、体温を一定に保つ温度調節機能がうまく働かなくなってしまった状態です。
これを防ぐために大切なのが発汗による熱の放散や水分・塩分補給なのですが、普段汗をかく機会が少ないと、汗腺が衰えて汗をかきにくかったり、自分の体調変化に気づかないで水分・塩分補給を怠ったりしてしまうのです。
日頃から運動や温浴でしっかり汗をかく機会がある人なら経験があると思いますが、大量発汗した後しばらくの間(数日間)は汗をよくかきます。これは汗腺が活発に機能している状態ということなのです。汗をどんどんかけばそれだけ体熱が放散されますし、水分を失っている自覚もあるので喉が渇いていることを意識します。そういう人が熱中症で倒れることは少ないのではないでしょうか。
さらに言うと、熱ストレスを受けた人の体内にはヒートショックプロテイン(HSP)が増加します。HSPが増えると、熱ストレスだけでなく、紫外線や放射線に対する抵抗力や病気や怪我に対する治癒力も増すことが知られており、体温を高めることは健康維持のためにも重要なのです。
熱中症が怖いからと、温度変化を避けて冷房の効いた部屋にこもっているだけでは、かえって弱い体質になってしまう可能性があります。
人の身体というのは適度なストレスを受けるとそれに耐えられるように変化していきます。温泉やサウナを利用して熱ストレスを与えれば、夏を乗り切る身体づくりが可能なのです。
また夏は薄着の季節ですから、美肌や身体を引き締めることに関心が高まる時期でもありますね。
このように、四季の変化に合わせて、温浴施設が果たすべき役割(利用法)は変わります。ぜひこのことを積極的に発信していただきたいと思っています。
今回も最後まで読んでいただいて、有難うございました。
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